四日間どっぷり実家で甘やかされ…とうとう福岡に戻って来てしまいました
お腹に溜まったお肉の分、重くなった体に重力を感じながら今年も一年頑張ります٩( 'ω' )و
5話中編です。
トッケビの部屋に荷物を置き『あ~、気持ち良い!』とトッケビがいつも腰掛けている椅子に深々と体を沈めるウンタク。
『こんなふうに座っているのかな?』とトッケビの姿を真似てみるウンタク。
ふと椅子の横に置かれたサイドテーブルに目がとまります。
テーブルの上には火が灯されたままのロウソクとウンタクの本、そしてウンタクの本と並べて置かれた一冊の古めかしい革表紙の本。
革表紙の本にはウンタクがあげた楓の葉が栞代わりに挟まれています。
『捨ててなかったんだ…。大切にしていたみたいね。』そう呟いて葉っぱを手に取り、嬉しそうに見つめるウンタク。
『これはどんな本なの?私、漢字は分からない…。』葉っぱが挟んであったページを見ても漢字で書かれているので分からないウンタク。
読むのを諦めて本をテーブルに置きます。
これは本ではなくてトッケビが遠い昔に書き記した日記のようです。
異国の地でも戦争が絶えない。
刀で、矢で、土地を奪い、穀物を奪い、生を奪った。
異国の神も高麗の神も皆、一味だ。
共に高麗を離れて来た孫の孫の孫を埋葬した。
私は小さな部屋の片隅に置かれた椅子に座り幾日かを過ごした。
私の遺書は死を前にして残す言葉ではない。
神よ、私の遺書はあなたへの死を与えてくれという嘆願書だ。
この生が賞だと思った事もあったが…結局、私の生は罰だった。
その誰の死も忘れてはいない。
そして私はこの生を終わらせようとした。
しかし、神は相変わらず聞いてはいない…
『お前、神を見たことはあるか?』と死神の部屋のソファーに寝転び死神に尋ねるトッケビ。
返事がない死神の方に顔を向けると、いつものように頭から布団を被って身動き一つしない死神。
『もしかして今、神を見ているのか?』と再び声をかけるトッケビ。
うるさそうに『話しかけるなと言っただろう。私のような末端がどうやって神を見るんだ!?』と言って布団をめくって顔を出す死神。
『私は見たことがある…』とトッケビ。
『どんなだった!?』と驚いたようにトッケビを見る死神。
『ただの…蝶だった。』
『そんなものだろう…?過ぎ行く蝶一匹も粗末にできないように…。』と死神。
『顔でも見れば恨み言でも言えたのに…。神は本当に耐えられる試練だけを与えると言うのなら、私をとても過大評価しているのではないかと思う。』と天井を見つめたまま話すトッケビに『辛いか?』と尋ねる死神。
『心配するな…抱かれて泣くことはない。』そう呟いたトッケビに苦笑いをして『人間たちがそうやって見れる神を、私たちはどうして一度も見る事ができないのか…?』と言う死神。
人間ではない男二人がそんな会話をしていたとは知るはずもなく…携帯のアラーム音で目を覚ますウンタク。
眩しい朝日の中『あ~、ここはトッケビさんのお家だった…。』とまだ目を開けられないまま起き上がります。一人で不安いっぱいだったスイートルームのベッドよりもトッケビのベッドの方が熟睡できたようですね。
『朝ごはんはどうするのかな?』と台所に入ったウンタクが目にしたのは肉を焼くトッケビとサラダを作る死神の姿。
『うわ~!美しい!男性の二人暮らしってどうかと思った。私、誰かが作った物を食べるのすごく久しぶりです!』と感激するウンタク。
『やるとは言ってないけど。』と肉から目を離さず言うトッケビと無言でサラダにドレッシングをかける死神。そんな二人を睨みつけるウンタク
とは言っても朝食にありつけたようで…元気に『ご馳走様でした!』と言うウンタク。
自分の食器を片付けながら『自分のお金は自分で使います。明日からは食事の支度も洗濯も自分でします。こういう大きなお家では家事をしてくれる人がいると思ってた…』と言って振り返ったウンタクが見たものは…なぜかナイフを浮かせて戦っている大人の男二人
『お二人がこんなだから人を雇えないのね…。』と呆れるウンタク。
そんな二人に『こんなのを書いてみました…』と紙を取り出し読み上げ始めるウンタク。
要請文
1.雨が頻繁に降らない事を望みます。
『市民の皆さんが不便だから。私がここに住んでいる間はどうか幸せでいて下さい。』
2.不満があったら言葉で言って下さい。
『私を連れて行ったり、連れて行くとか又は連れて行く事が無ければいいです。』
3.急用があったら連絡して下さい。
チ・ウンタク 010-1234-1234
『いきなり目の前に現れないで下さい。授業中はダメです。アルバイト中も嫌です。図書館では電源を切ります。以上です!』要請文を冷蔵庫に貼り付け『学校に行って来ます!』と元気に出て行くウンタク。
呆気にとられてウンタクを見送るトッケビと死神。
冷蔵庫の前に瞬間移動して要請文を眺める二人。
『電話しろと言うことか?』とトッケビ。
『私たちが携帯電話を持っていないことをバカにしているんじゃないか?』と死神。
『マジ!?』と言って死神を見るトッケビ。再び要請文を見つめるトッケビと死神です。
トッケビと死神にスマホを差し出すドクファ。
『私はこれ!シックなブラック!気に入った!』と目を輝かせてスマホを手に取る死神。
『お前はこれ!ブルー!気に入っただろう!?』と青いほうのスマホをトッケビに勧めます。
新しいオモチャを貰った子供のようにウキウキしている死神とは対照的に興味なさそうなトッケビ。
説明しようとするドクファに自分はいいからこんな物(スマホ)を初めて見て興奮している死神だけに説明しろ…と言います。
本当に大丈夫なのか?と心配するドクファに『使い方が分からなくて使ってなかったんじゃなくて必要なかったからだ。』と知ったかぶりをするトッケビ。
死神もトッケビは放っておいて画面を見ながら会話する方法は⁉︎ドラマで観たんだけど…?とドクファに喰い付きます。
子供の様な二人に呆れながら『じゃあPlay Storeから行ってみようか…』とドクファが言うとサッと立ち上がりコートを羽織るトッケビ
『何で立ち上がるの⁉︎』と驚くドクファに『Play Storeに行くんだろ?ここから遠いのか!?お前も早く上着を着ろ!』と死神を急かすトッケビ。その言葉に慌てて上着を取りに行く死神。そんな二人を哀れそうに見守るドクファでした
お互いの顔を見て電話する練習をしているトッケビと死神。
トッケビは使い方が分かっている様ですが死神が…
最初は耳にスマホをくっつけて…顔が見えない〜‼︎
トッケビにスマホを耳から離せと言われて、その言葉のまま耳から離しただけで見えない〜‼︎さすがのトッケビもダメだこりゃ…
です
パソコンでキム・シン(トッケビの本名)について調べるウンタク。
『武神』以外には特に記録に残っている事は無い様です。
ショッピングモール?を歩くウンタクに早速トッケビから電話がかかってきます。
買い物をするトッケビとウンタク。
スマホの使い方を知っているの!?と感心するウンタクに得意気にスマホの性能を述べるトッケビ
二人はウンタクの歯ブラシなど生活必需品を選んでいるようです。
ぬいぐるみのコーナーで足を止めるウンタク。
『おじさん、この子を知ってる⁉︎実は、この子おじさんなんですよ!』とその中の一つを指差します。
『頬がピンク色なのに、何がオジサンだ⁉︎』
『そうじゃなくて、この子がトッケビなんですよ!でも人が怖がるから自分が一番好きな食べ物のメミルムク(蕎麦粉で作ったゼリー?のような食べ物)を被ってトッケビじゃないフリをしているんです。メチャかわいいでしょ?私の言っている事お分かりですか?』と早口でまくし立ててメミルムクを買い物カゴに入れるウンタク。
その後も次々と色んな物をカゴに投入します。
自分の部屋で机に向って仕事をする死神。
書類にサインをしてソニから名前を聞かれた事を思い出します。
記憶がないから答えられずにもどかしい思いをした死神
ソニから貰ったキスマーク付きの電話番号のメモをしばらく見つめて自分のスマホに入力し始めます。
スマホと格闘の末、やっとの事で『ソンヒじゃなくてソニ』と入力してはみたものの…ハングルの綴りを間違って登録しています
沢山の買い物袋と共に帰って来たトッケビとウンタク。
『お前の部屋に行ってみろ。だいたい暮らせるようにはしておいた。』とトッケビに言われたウンタクは『ホントですか!?』と大喜びで荷物を両手に持って階段を駆け上ります。
すっかり女の子らしい部屋になっていて感激するウンタク
『気に入ったか?』とウンタクの様子を見に来るトッケビ。
『ここは天国ですか!?すごく気に入りました!!直接自分でされたんですか?』と満面の笑みで答えるウンタク。
『これ全部を直接自分でする気持ちでお願いした。もう休め。ああ、壁に釘を打つな。この部屋の下は私の部屋だから歩く時は爪先立ちで歩け。』と口うるさいトッケビ。
自分の部屋で本を読むトッケビ。でも本に集中できていないようです。
ウンタクが植木鉢を置き換えたりパタパタと動き回る音を聴いて、今あの子はこうしているな…ああしているな…とブツブツ独り言を言っています。
うるさくするな!と言いつつも、ウンタクの立てるかすかな物音に彼女の様子を思い浮かべて幸せそうなトッケビです
あと少しですが、ここで区切ります。
本当にステキな脚本で削る所が見つからずに長くなってしまいます
早く先に進みたいのですが、文章をどうまとめようかと試行錯誤しているとあっと言う間に時間が過ぎて…もう晩ご飯の準備に取り掛からないと
最後まで読んでいただいて有難うございました。
最後になりましたが、今年もよろしくお願いします
画像お借りしました。