講師としての「予習」の意義を正しく理解する | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

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中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

昨日『生徒の前で実際に授業をすることが何よりも講師としての力を高める』という話を書いていきました。


そこで少し触れたのですが、講師としてやっていくのであれば、当然ながら『予習が重要である』ことは言うまでもありません。



●生徒に対して話す予習の意義●
これは生徒に対してもよく言う言葉ですが、当然意味が異なります。


生徒に対して言う場合というのは、『予習して今の自分なりにできることを確認する→授業を受けて弱点や思考法の欠如を認識→復習してその弱点や欠如を埋めていくことで力へと変える』という一連の流れの最初に当たることなので、当然重視すべきだという意味で言っています。

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●講師にとっての予習の意義●
しかし、講師としての「予習」というのは、これ以上に壮大な意味を含んでいます。


講師が授業として示しているものは予習で準備していることからすれば何分の1かでしかありません。極端に言えば、「1を授業で示すが、その背後には100がある」といったイメージですね。


もちろんいきなりこのような配分で授業できたら苦労はしないわけで、この配分は経験が高まれば高まるほど大きな差を生んでくるはずです。


さて、それでは「講師にとっての予習」とは何でしょうか?


もちろん事前に問題を解いて間違いなく教えていくことは必要ですが、これで終わってしまっては学生のバイトと何ら変わりません。


講師としての予習はここからがスタートです。


「その問題を解くにあたって必要な技術は何か」「その技術はどのように生徒に対して示せば、最も効率良く使えるようになるのか」「効率良く使えるようになるための授業後の復習時や演習時にすべきものは準備できているか」「直接その問題を解くのには関係ないように思えるかもしれないが、背景知識と言える知識はないか」などなど


このようなことを予習としてしていく必要があります。もちろん授業後に行う演習問題などは、塾や予備校として準備しているものがあるのであれば、それを指定すればいいと思います。


ただ実際には、文法問題の復習用問題は付いているものの、読解の復習用問題は付いていないというシステムがほとんどだと思うので、それをいかに作っていくのかというのも重要だと思います。


またここでしっかり問題を選択したり問題を作成したりしていれば、必ず将来それがもっと大きな形で活きていく時が来るので、まだそれほど忙しくない時期にやっていくことが重要だと思います。


また『講師が紹介する技術を、生徒にいかに効率良く身に付けてもらえるのか』『そもそもその技術が本当に卓越したものなのか』という部分を鍛えていくことも講師としては必要になってきます。


その点に対するトレーニングという意味合いも込めて、予習というものを捉えていく必要があると思います。


このような日々の「講師としての予習」が大きな経験として蓄積していき、生徒から信頼される講師を形作るに至るのだと思います。