第1回②~構造把握の重要性を認識する〜 | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

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中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

前回問題を紹介しました。間違った構造把握を示しましたが、ちゃんと基礎力として「何をしてはいけないのか」というのも理解していってほしく思います。


【問題再掲】次の文は「人生経験を通して大きく性格が変わり予想だにしない行動をする人もいる」という文脈に続く英文である。全文を和訳しなさい。

In the examples I am thinking of the person continues to behave in what most people would agree is a normal manner, but one so remote from his old self that he appears, to those who know him, to be someone else entirely.


●解説●
さて今回から、具体的に正しい構造把握とそれに基づく訳を示していこうと思います。


【正しい構造把握】
では具体的にどのように解釈すれば正しいのでしょうか? それを次に見ていきます。今回はbut以前の部分に関して書いていきます。


実は前回書いていったやってはいけないことを避けるようにして構造をとっていくと、必然的に正しい構造へと行き着きます。


まずは最初の部分ですが、
<In the examples (which I am thinking of)> the person continues to behave ~ とexamplesの後ろに関係代名詞を補って解釈すればよいのです。


この部分は"名詞 SV ~"の形になっており関係詞を補うことができる形になっていますし、前回書いた間違った例を避けるためにはこのように解釈する以外にないのです。


すなわち、この文全体のSVはthe person continues to behave部分となります。


さてこれを越え、今度はin what ~ manner部分です。ここも注意が必要で、<in [what most people would agree] is a normal manner>という解釈をしてはいけません。


もしこのように構造把握をしてしまうと、前置詞inの後ろにwhat節がS、isがVというSV構造がくることになり、これまた前回紹介したやってはいけないことに相当してしまいます。


ではこれを避けた正しい構造はどのようなものになるのでしょうか?


結論から言うと、<in [what most people would agree [that ● is a normal manner]]>という形で解釈をします(thatは接続詞で、●部分が不足していることを表す)。


関係代名詞whatは、それ自体にS・O・Cのいずれかを打つ必要がありますが、今回はisに対するSがこのwhatだということになります。なお、このような形のことを『連鎖関係詞』と言います。agreeの目的語であるthat節内のSが関係代名詞whatになった形です。


さて、結果的にここまでの訳を通すと、「私が考えている例では、その人はたいていの人々が[であれば]普通の方法だと同意するであろう方法で振る舞い続けるのだ」となります(かなりベタベタの直訳にしています)。


さて、次の回にbut以降を扱っていこうと思います。