第1回①〜構造把握の重要性を認識する〜 | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

ちょっとした試みとして、ここに大学入試問題を掲示し、それを解説していくことをしていこうと思います。僕が授業でしていることをすべてではないですけど、一部だけでも知って頂ければと思います。


さて、今回はいきなり難しい問題を提示しようと思います。この問題自体は受験界の中では非常に有名な東大の問題です。英文を解釈していく上で、非常に構造の把握というのが重要であるというのがわかりやすい問題なので、挙げてみようと思いました。


【問】次の文は「人生経験を通して大きく性格が変わり予想だにしない行動をする人もいる」という文脈に続く英文である。全文を和訳しなさい。

In the examples I am thinking of the person continues to behave in what most people would agree is a normal manner, but one so remote from his old self that he appears, to those who know him, to be someone else entirely.



●解説●
さて、どうだったでしょうか? この問題は、ありとあらゆるところに罠が仕掛けられています。こう言うと、非常に意地悪い問題に聞こえてしまうかもしれませんが、実際には意地悪なわけではなく『本当の基礎力を持っているのか』ということを問うている問題だと思います。


ちょっと解説量が多いので、何回かに分けて解説を書いていきます。まずは「間違っている構造把握例」を示しながら解説していきます。さて実際に見ていきましょう!


◆but以前◆
まずはbutより前を見ていきましょう。


【間違った構造把握】
さて、最初にやってはいけない構造の取り方を紹介していきます。なお、[ ]は名詞のカタマリを、( )は形容詞のカタマリを、< >は副詞のカタマリを表しています。


①勝手に関係代名詞を補わない
<In the examples> I am thinking of the person (who continues to behave ~) というようにcontinuesの前に勝手に関係代名詞を補って前のthe personにかけてしまうという解釈です。


ここで理解しておくべきことは『原則"名詞 SV ~"という形のときのみ関係詞は省略可能』という規則です。


あくまで名詞の後ろにSVが直接つながっている場合であって、『決してVから始まる関係詞節は存在しない』ということをしっかり理解しておく必要があります。


②前置詞の後ろには絶対に文は来ない
<In the examples> I am thinking of [that the person continues to behave ~] というように前置詞ofの後ろに勝手に接続詞thatを補ってはいけません。また当然ながら前置詞の後ろに直接文の形をとってもいけません。


ここで理解しておくべきことは『"前置詞+SV"という形は絶対にダメであり、"前置詞+that SV"という形は原則ダメである』という規則です。


次の回にまずはbut以前の正解例を示していこうと思います。