脳は不合理なことを許せない

脳の面白い特性として『不合理なものは許せない』というものがあります。これをいかに活かすかで自分の脳の鍛え方が変わってくると思います。


例えば、思いっきり石につまずいて転けてしまったときに「俺ってついてるな～」と言ったとしましょう。そうすると、当然ながら「なんでついてるの!?」という疑問が生じます。脳はこのような不合理な状況が許せないわけです。なので、この矛盾を解決するために、脳は必死に理由を求めていくのです。


もちろん、この１回きりの行動だけでは何も自分自身の行動には変化は起きません。しかし、『不合理なものは許せない』という特性から、脳が自動的に「何がついていたのだろう？」というのを無意識の中でも必死に探すわけです。


これを継続していくと、徐々にですが、自分の頭の中にも『不合理な状況を理解するための答え』というのが浮かんでくるようになります。もっと言えば、自ら見つけていこうという発想につながっていくのです。



●偉人の名言からこの事実を考察する●
これはよく偉人の名言の中にも含まれているものです。


例えばエジソンは「I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.（失敗なんかしちゃいない。うまくいかない方法を一万通り見つけただけだ）」という名言を残しています。


これもまさにこの『不合理なものは許せない』という特性を良い方向へフル活用しようとしている典型的な例だと思います。


もし毎回「今回も失敗か…」と考えてしまっていては、きっとその失敗から原因を探求し、次に成功するためのきっかけを見つけることなどできなかったと思います。


しかし、パッと見は失敗に見えるものに対しても「これは失敗ではない」と思い込んでいくことによって、脳が必死に「じゃあ何が失敗ではなかったんだ!?」と思い、必死にその要因を探していくことがつながり、それが最終的に大きな発見へとつながっていったわけですね。


このように、ここから少しずつ自分の発想法に対して変化も生まれてきますし、浮かんでくる発想にも違いが生じてくるわけです。



●勉強の世界にこの脳の特性を活かす●
たとえばこれを勉強に活かすとします。模試などで悪い結果が出た人はきっと「あぁやっちゃったな～どうしよ…」なんて風に思うと思います。


これも発想を変えられるかどうかで、これ以降の動きというのが大きく変わってくると思います。


もしこのような場面で「ラッキーだな。これが入試本番に出なくて模試で出たからこの時期に弱点の把握ができた。じゃあこれを入試までにできるようにしていこう！」などとポジティブに考えることができれば、これ以降のモチベーションも上がってくると思います。


このように、脳の働きをフル活用することによって、自らの成長を加速していってほしく思います。