毎年のように新しい参考書が出版され、毎年のように絶版になっていく参考書があり、非常に大きなヒットが出にくいとされる参考書の業界でも、『長文読解』の分野は非常にそれが顕著な分野だと思います。
実際に、昔から長年に渡って存在している長文読解用問題集というのは非常に少ないのです。
確かに、これは、昔は「それほど長くないが難しい文をじっくり分析できるか」が重要だったのに対して、最近では「長い英文も多いが、決してすべてが難しいわけではなく、パラグラフのテーマの理解や話の全体像の把握ができるか」が重要な問題になってきているという傾向変化に伴うものです。
とはいえ、なかなか長期間に渡って古典的名作とでも言えるような参考書というのは、この長文読解という分野においては非常に少ないのです。その中でも、今しっかりと活用できる参考書を紹介しようと思います。
それは『大学入試 英語長文ハイパートレーニング/レベル2/センターレベル編』(桐原書店)です。


●取り組む以前の注意点●
この参考書は安河内哲也という受験業界では非常に有名な先生が書かれた本の1つです。僕自身、安河内さんには直接面識はないのですが、僕が受験生だった頃から非常に有名だったので、ずっと関心を持ち、参考書も確認してきました。
ただし、少し注意しなければならないのは、この先生の参考書は『非常に生徒の心をつかむのがうまいポイントが含まれている』という点です。
すなわち、受験生に限らず、受験レベルでの英語学習をしようと思うと、この先生が有名であるが故についつい手にとってしまうことも多いですし、パッと見非常に良さそうな雰囲気を醸し出しているものも多いのです。
しかし、こういうと安河内先生のファン(?)の方には怒られてしまうかもしれませんが、ほとんどの参考書において『雑』である部分というのが含まれています。
例えばこの問題集であれば、「センターレベル」と言いながら、実際には中堅私大の問題をベースに作られているので、必ずしもセンターレベルにはなっていないこと、また安河内先生自身が設定されているレベル設定がずいぶんおかしく感じるところが含まれていたりと、随所にこの先生によくある『雑さ』というのが垣間見えるのです。
●問題掲載数と対象レベル●
問題自体は上でも述べたように中堅私大の問題をベースに作られており、問題数としては12題であり、対象レベルは『和訳の練習はしてきたけど、長文はこれから学習し始める』人だと思います。
意外に解いてみると、読めるけど解けないという設問があったりして、和訳だけを必死に練習してきた人はギャップを感じるでしょうし、逆に今まで文構造など把握せずに曖昧に単語だけをつないで読んできた人にとっては解説部分にある、英文の構造分析の部分で感銘を受ける可能性も十分にあります。
●取り組むときの注意点●
問題を解く際には何も気にせず、普段通り黙々と問題を解いていけば構わないと思います。
今まで書いてきた内容を読んで頂くと、もしかしたら僕がこの本を酷評しているように思われるかもしれません。
しかし、実際にはそれは全然異なっていて、非常に賞賛に値する部分が多い問題集だと思っています。なお、これは問題文部分にあるのではなく、解説部分にあり、実際には復習や解説確認の際に実感すると思います。
何よりもこの問題集の解説部分、それも英文の構造分析部分に価値があるように思うのです。
確かに、実際に長文読解をする際には、そこまで詳細にSVOCを把握したり、句や節といったカタマリをチェックしながら読解したりはしないと思います。
しかし、このような構造分析・構造把握というのは英語が「構造言語」と呼ばれる構造重視の言語である以上、非常に重要なことなのです。
そこで僕がこの問題集に対して思うのは、長文問題集は『問題を掲載する→設問解説をする+重要語句を掲載する』という段階に留まっているものが大半であるという状況の中で、『英文の構造把握+速読用のスラッシュで区切った英文+リスニング用CD』という他の問題集ではまず存在しない内容が掲載されており、「構造言語」である英語をしっかり学習していくには非常に良い参考書だということです。
この記事のサブタイトルにも書きましたが、長文読解の練習をしたいが、まだあまり取り組めていなくて、今まで和訳の練習を積んではきたという人には、ちょうどその『和訳と長文読解の橋渡し』的な存在になる参考書だと思います。
長文読解と言われても決して適当には読解せず、正確な読解が基礎にあることを実感するには非常に有意義な問題集だと思います。
実際に、昔から長年に渡って存在している長文読解用問題集というのは非常に少ないのです。
確かに、これは、昔は「それほど長くないが難しい文をじっくり分析できるか」が重要だったのに対して、最近では「長い英文も多いが、決してすべてが難しいわけではなく、パラグラフのテーマの理解や話の全体像の把握ができるか」が重要な問題になってきているという傾向変化に伴うものです。
とはいえ、なかなか長期間に渡って古典的名作とでも言えるような参考書というのは、この長文読解という分野においては非常に少ないのです。その中でも、今しっかりと活用できる参考書を紹介しようと思います。
それは『大学入試 英語長文ハイパートレーニング/レベル2/センターレベル編』(桐原書店)です。
●取り組む以前の注意点●
この参考書は安河内哲也という受験業界では非常に有名な先生が書かれた本の1つです。僕自身、安河内さんには直接面識はないのですが、僕が受験生だった頃から非常に有名だったので、ずっと関心を持ち、参考書も確認してきました。
ただし、少し注意しなければならないのは、この先生の参考書は『非常に生徒の心をつかむのがうまいポイントが含まれている』という点です。
すなわち、受験生に限らず、受験レベルでの英語学習をしようと思うと、この先生が有名であるが故についつい手にとってしまうことも多いですし、パッと見非常に良さそうな雰囲気を醸し出しているものも多いのです。
しかし、こういうと安河内先生のファン(?)の方には怒られてしまうかもしれませんが、ほとんどの参考書において『雑』である部分というのが含まれています。
例えばこの問題集であれば、「センターレベル」と言いながら、実際には中堅私大の問題をベースに作られているので、必ずしもセンターレベルにはなっていないこと、また安河内先生自身が設定されているレベル設定がずいぶんおかしく感じるところが含まれていたりと、随所にこの先生によくある『雑さ』というのが垣間見えるのです。
●問題掲載数と対象レベル●
問題自体は上でも述べたように中堅私大の問題をベースに作られており、問題数としては12題であり、対象レベルは『和訳の練習はしてきたけど、長文はこれから学習し始める』人だと思います。
意外に解いてみると、読めるけど解けないという設問があったりして、和訳だけを必死に練習してきた人はギャップを感じるでしょうし、逆に今まで文構造など把握せずに曖昧に単語だけをつないで読んできた人にとっては解説部分にある、英文の構造分析の部分で感銘を受ける可能性も十分にあります。
●取り組むときの注意点●
問題を解く際には何も気にせず、普段通り黙々と問題を解いていけば構わないと思います。
今まで書いてきた内容を読んで頂くと、もしかしたら僕がこの本を酷評しているように思われるかもしれません。
しかし、実際にはそれは全然異なっていて、非常に賞賛に値する部分が多い問題集だと思っています。なお、これは問題文部分にあるのではなく、解説部分にあり、実際には復習や解説確認の際に実感すると思います。
何よりもこの問題集の解説部分、それも英文の構造分析部分に価値があるように思うのです。
確かに、実際に長文読解をする際には、そこまで詳細にSVOCを把握したり、句や節といったカタマリをチェックしながら読解したりはしないと思います。
しかし、このような構造分析・構造把握というのは英語が「構造言語」と呼ばれる構造重視の言語である以上、非常に重要なことなのです。
そこで僕がこの問題集に対して思うのは、長文問題集は『問題を掲載する→設問解説をする+重要語句を掲載する』という段階に留まっているものが大半であるという状況の中で、『英文の構造把握+速読用のスラッシュで区切った英文+リスニング用CD』という他の問題集ではまず存在しない内容が掲載されており、「構造言語」である英語をしっかり学習していくには非常に良い参考書だということです。
この記事のサブタイトルにも書きましたが、長文読解の練習をしたいが、まだあまり取り組めていなくて、今まで和訳の練習を積んではきたという人には、ちょうどその『和訳と長文読解の橋渡し』的な存在になる参考書だと思います。
長文読解と言われても決して適当には読解せず、正確な読解が基礎にあることを実感するには非常に有意義な問題集だと思います。