ワーカホリック気味な塾講師が出来上がるまで~大学時代⑨~ | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

自分が担当する講座の種類がずいぶん変わり、授業に対する準備などもずいぶん変わっていったのですが、それ以上に変わっていったのは、自分自身の生徒への接し方でした。


もちろん今までも適当に流したり、ないがしろにしているつもりは全くありませんでしたが、生徒自身のモチベーションが決して高いとは言えないレベルの授業を担当していることにより、生徒に対しては半ば「接しないといけないから接している」という程度でした。それにより、接し方がどこか義務的になっていたようにも思います。


しかし、担当する講座が変わると、生徒の雰囲気やモチベーションなどが大きく違っていました。


今まで持っていた講座の生徒に多かったのは「とりあえず塾に来た→授業をそこそこ聞いた→質問など特にないからパッと帰る」という流れが多かったのです。もちろん、僕自身にもっとスキルがあれば、この状況を変えることもできたと思いますから、一概に生徒のせいにする気はありませんが、その一方で非常に悩んでいたのも事実です。


それが新しく担当した講座では「さすがに高3だから真剣に授業を受けに来た→授業を真面目に聞き、質問があれば積極的に聞いた→納得したから帰るorまだ時間があるので自習室で勉強してから帰る」といった生徒や、「高2だけど東大・京大・国公立医学部を将来目指しているから真剣に予習にも取り組んだ→疑問点を解決できるよう真剣に授業を聞いた→まだわからないところ、曖昧なところは質問し、納得し終わったので帰る」といった生徒がかなり多かったのです。


こうなると、自分自身のモチベーションも変わってきます。さらに相乗効果を生んだのは、このような担当講座内に、非常に僕になついてくれ、積極的に話してくれる子が多数いたことでした。


実は今でこそこのような講師職をしていますが、もともとは人の前に立つことなどは好きではない部類でした。なので、小学校~高校まで、いわゆる生徒会のような人前に立つことには一切参加をしてこなかったですし、今でも参加したいとは思いません。


しかし、その一方で教えることはしたいと強く思っていたので、結果的に「人前に立って話す負の感情<生徒たちに教えたい」という構図になり、講師職を始めるに至ったのです。


なので、しばらくの間はやはり生徒との距離をつめるのが非常に苦手でした。そのような状況にも関わらず、そのような思いを変えてくれたのがこの1年の間に担当した講座の生徒たちだったのです。


その生徒たちによって、積極的に僕自身のこと、僕が通っていた高校やその当時行っていた大学のことなども少しずつ話すようになり、言い方は変かもしれませんが、これらの講座を持つ前よりはるかに人間味の増した講師に変わることができたのです。


正直、今でも僕より生徒との接し方がうまい講師はいくらでもいると思っています。ただ、それはそのような講師の性格によるものだと割り切り、自分自身は自分自身にできる方法で、できる接し方で接していくことにより、生徒の方から自然と話しかけてくるように変わってきました。


最初の1年~2年の間の僕は、内心では楽しんで仕事をしているのに、外から見ればきっとそのように思っているとは見えてなかったのではないかと思います。


しかし今では、かなりの割合で笑顔で生徒に接するようにしているので、生徒からは時折「先生はいつもニコニコしてるよね」と言ってもらえるようにまでなりました。


この新しく担当した講座が、いかに自分にとって授業面だけではない面を成長させてくれたかを今でもしみじみ実感します。


こうやって、僕はさらなる武器を身に付け始めたのです。