ワーカホリック気味な塾講師が出来上がるまで~大学時代⑦~ | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

いくら楽しく塾講師のバイトができるとはいえ、将来プロになる身からすれば、最初のうちの授業コマ数の少なさというのは、正直致命的ダメージになりかねません。


もちろんバイトとして入った塾だけでずっとやっていくという道もあるかもしれませんが、塾業界がよく言われるところの「傾斜産業」なので、今いくら調子よくいっていたとしても、いつ潰れてしまうかなんてわかりません


そうであれば、他の塾や予備校にも行くことで危険分散をすることが重要になってくると思います。


そうすると塾講師たるもの、やはり『大手の予備校に行きたい』という野望がフツフツと湧いてくるわけです。


しかしその一方で、塾講師として高校生や浪人生に教えるキャリアを積んでいかないと、実際には採用してもらえない可能性が高いという事実があるわけです。


そういった意味では、自分自身授業数にこだわりたくなる反面、実際にはそうはいかないという葛藤が生まれてきました。


しかし、葛藤ばかりしていても仕方ありません。ある程度はその現実を受け止め、次の年にしっかり授業を持てるよう自己鍛練の時期なんだと自分を納得させるように努めました。もちろん焦りを抱えながら…。


ただ不幸中の幸いだったのは、塾の中でも自分が最も参考にしやすい、思考回路の似ている先生の下について学ぶことができたことです。


やはり自分にとって師匠とも言える存在を見つけること、持つことがいかに大事かを痛感することとなりました。


そのような素晴らしい環境でさえ、僕自身は頑固と言うか負けず嫌いと言うか…少々の疑問が湧いてもすぐにその先輩の先生に依存したり、質問したりはしないんですね。


正直これは無駄が多いので人には薦められたものではありません。なので、僕が指導する後輩にはどんな小さいことでも聞くように促していますし、僕自身の中でも悩むところは一緒に意見を出し合ってさらにいいものを求めていきます。


ただこれは僕から後輩に対してはできるのですが、僕が後輩となるような立場・状況ではできないのです。どうしても性格が許さないんですね。やはり僕の根本にあるのは『自力本願』です。


自分自身この性格は面倒臭いなと思いますし、無駄が多いなとも思います。しかし、このような性格ゆえ、後輩を指導する際の技術を持てたのかなとも思っています。


さて、このように無駄が多い状況ながら、逆に言えば、自分自身で先輩講師の思考を再構築することをしていったのです。と言っても、詳しくその先生に話を聞いたわけではないので、単純に僕が思う、勝手な思い込みで進んでいったのかもしれません。


しかし、何度も「これはどういう意味かな? 何をしたいのかな?」とか「なぜこのようなポイントのまとめ方をするのかな?」などと適宜考えていった結果、僕は短期間で、その先輩講師のレベルには達していないものの、他の講師からすれば信じがたいようなスピードで近づいていったのです。


そういった意味では、自分の性格、そして置かれた環境から、自分にとってまさに最善の方法で先輩講師から技術を得ることができたのです。


このような修行とも言える1年間を乗り越えた後、また新たなフィールドに向かうことになっていきました。