「がんとはなにか」についてのお勉強、9回目です。
前回は、「がんの診断1」として、画像診断と血液検査について書きました。
今回は、病理検査とステージ分類について書きます。
病理検査
がんは、生検組織などを病理診断することで確定診断がなされます。
病理検査により、組織の分化度(分化度が低いほど進行がはやい)や細胞のホルモン受容体、がん細胞の増殖能力を示すMIB-1指数(Ki-67標識率)などがわかります。
手術中の迅速病理診断は、手術術式の決定に大きな影響を及ぼします。
乳がんの場合、手術中にセンチネルリンパ節生検を行い、リンパ節への転移の判定を行います。そこで転移がみられる場合に、リンパ節郭清が行われます。
ステージ分類
がんのステージとは、簡単に言うと、がんの進行度のことです。
一般的に、腫瘍径あるいは深達度(T因子)、リンパ節転移(N因子)、遠隔転移(M因子)の程度によりステージが決まります。
臓器によりステージ分類の決め方が異なります。
乳がんの場合を例に挙げます。
[T]原発巣
Tis:非浸潤がんあるいはPaget病
T0:原発巣を認めず
T1:大きさ20mm以下
T2:大きさ20mm超~50mm以下
T3:大きさ50mm超
T4:大きさにかかわらず胸壁固定か皮膚の浮腫・潰瘍・衛星皮膚結節がみられる、炎症性乳がん
[N]領域リンパ節
N0:転移なし
N1:同側腋窩リンパ節レベルⅠ、Ⅱに転移あり(可動する)
N2:同側腋窩リンパ節レベルⅠ、Ⅱに転移あり(周囲組織への固定あるいはリンパ節癒合あり)、または内胸リンパ節への転移
N3:同側腋窩リンパ節レベルⅢあるいは同側鎖骨上のリンパ節への転移あり、または内胸リンパ節レベルⅠ、Ⅱに転移あり
[M]遠隔転移
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移あり
乳がんの場合は、ステージの確定以外に、サブタイプ分類の決定もします。
みなさんのブログを拝見していると、ステージとサブタイプを記載されている方がたくさんいらっしゃいます。
では、私は??
退院後に病理検査の結果を聞いたのですが、その時は、非浸潤がんでホルモン受容体陽性としか伝えられませんでした。
そして、ホルモン療法が良く効くタイプの乳がんなので、タモキシフェンを服用しましょうとのことでした。
当時はまだあまり乳がんについて詳しく調べていなくて、サブタイプがあるとか知りませんでした。
そして、みなさんのブログを拝見するようになってからサブタイプって??って、気になり始めたものの、今さら聞くのもなあとそのままになっていました。
でも、前回の診察から主治医が代わりました。
そんなわけで、この機会に質問してみようと思い、聞いてみたのですが・・・。
回答は「非浸潤がんのために、HER2もKi-67も検査がストップしている」とのことでした。
調べる必要なしとの判断ということですよね。
次回はがんの治療法のうち、局所療法(外科手術、放射線療法、内視鏡治療)についての
予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました。




