久しぶり、しかも本番前という事で、熱中症や関節を傷める可能性を考慮して、休演日前のこの日を選んだ。さらに、途中リタイアした時の保険として、ポッケにタクシー代の千円札を折り畳んで持っていくという念の入りよう。自分の身体を、全く信じていない。
しかし幸い、この日は無事に皇居を一周することが出来た。天気がよく、まだそんなに暑くないこの時期のジョギングは、開放感に満ち溢れて、物凄く気持ちがいい!
仕事を忘れて、ずっと走り続けていたいくらいの気持ちの良さだが、帝劇から走り始めると、ちょうど向こう側くらいに、水を飲んでゆっくり休める、緑のたくさんある公園がある。お堀に沿って横に長いので、休憩がてらいつも歩いてここを通るのだが、ふと上を見上げると、青い空と力強い緑のコントラストや、茂った木の葉の間から見える木漏れ日がキラキラして、絵画のように美しい。ピカソよりゴッホより好きなラッセンより、さらにビビッドな、僕の大好きな景色の一つだ。
次の日の朝、こまが「真面目に家事をしてると、いい事あるな〜」と、ニヤニヤしている。
どうしたの?と聞くと、洗濯機から、千円でてきたとの事。Oh…それは僕のタクシー代です。
週明けになると、今度はちょっと肌寒いくらいの気候で、劇場に戻って熱いシャワーで身体を温めなければならないほどだったが、今日は一転、熱中症にもなりかねないほどの暑さだ。
長くて暑い夏が始まる……。