春の富士

 

今週は、ロシア方面から流れて来る寒波が、関東周辺にも流れて来て、

先週の金曜日には厚生労働省から「インフルエンザ流行宣言」が発令されました。

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インフルエンザ、全国流行入り 1週間の推計患者6万人
2018年12月14日 13時45分 共同通信
 
インフルエンザのワクチン接種

国立感染症研究所は14日、今季のインフルエンザの全国的な流行が始まったと発表した。

3~9日の1週間に全国で推計約6万3千人が医療機関を受診した。12月上旬の流行入りは例年並み。

全国約5千の定点医療機関から1週間に報告された患者数が、1医療機関当たり1.70人となり、

流行入りの目安となる1人を超えた。例年、1月末から2月上旬にかけて流行のピークを迎える。

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「”呼吸力”を発揮すべき時期の到来」

「太極拳文化の”意”」

ここからが、私達にとっては本領発揮の時期・時候です。


「五行論」での、五行では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割り当てています。

残った土気は季節の変わり目に割り当てられ「土用」といいます。

土用(どよう)とは、五行に由来する暦の雑節である。1年のうち不連続な4つの期間で、

四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつです。

 

そして「至点:冬至、夏至」「分点:春分、秋分」の四点と合わせて、「四立、四点」の八時期を意識して、

それぞれの快適な身体づくりでの心身感覚(自身への信頼と安心感)を有することができるようになります。

五行:木火土金水の関連する、臓器と情感では、

冬は「水」

臓器(五臓六腑)と関連する情感は「腎臓、膀胱と恐れ」

春は「木」臓器と関連する情感は「肝、胆のうと怒り」

夏は「火」臓器と関連する情感は「心臓、小腸と喜び」

土用は「土」臓器と関連する情感は「脾臓、胃と思い」

秋は「金」臓器と関連する情感は「肺臓、大腸と悲しみ」

そして、再び冬を迎えて「水」臓器と関連するのは「腎臓」というような、

大自然のサイクルと人間の感情と感覚、そして心身の感覚や行動はすべて連鎖反応で繋がっています。

冬の時期からの「相生」で行くと水木火土金となり、これからの1年間の季節の流れを展望すると、

冬春夏秋、そして来年の冬となっていきます。



一般的な年間での時空間の観点では、新年1月~12月。年度では4月~翌年3月。

太陰暦では、1月下旬~2月中旬の「春節 正月元日」から、次の「大晦日 十二月三十日」

ですから、季節通りに順番で見る傾向があり、

春は「木」臓器と関連する情感は「肝臓と怒り」  器官は「目」

夏は「火」臓器と関連する情感は「心臓と喜び」 器官は「舌」

土用は「土」臓器と関連する情感は「脾臓と思い」 器官は「口」

秋は「金」臓器と関連する情感は「肺臓と悲しみ」 器官は「鼻」

冬は「水」臓器と関連する情感は「腎臓と恐れ」 器官は「耳」


という観点の順番のみで考えがちですが、私達が本場中国上海体育学院や、安徽省亳州市伝統華侘五禽戯協会で

学び取り入れた、武術、太極拳、伝統気功同様に、本場中国の養生の正しい実践修養者の観点では

「冬」の快適な状態である「心身感覚を基準」として、とても重視します。

 

「相生の気」の四季の流れ
春→夏→秋→冬→春:肝臓→心臓→脾臓→肺臓→腎臓→肝臓

 

「相克の気」の四季の応対

 

冬→春→夏→秋→冬:腎臓→心臓→肺臓→肝臓→脾臓→腎臓

 


この流れの中で、「気」が弱くなることで、真冬時期に発症しやすい病気・疾患では、

喘息 発熱 風邪 インフルエンザ 糖尿病から、慢性腎不全 脳梗塞 心筋梗塞

これらの病は「水:腎臓」を傷つけることが原因で、腎気の機能低下が原因で起こります。関連臓器は、膀胱、前立腺の病気です。 

その関連では「相克」を受ける「土:脾臓」を傷つけると「糖尿病」「膵臓系の病気」

そして「水:腎臓」が傷つくと、

腎気が不足してしまい「火:心臓」が傷つき、「心筋梗塞」や「心不全」それに関連して血流において「心臓系の病気」「血管、血液系の病気」「脳」に血液循環での関係で「脳梗塞」にも可能性が増してしまいます。

そこで、相生から来るはずの「金:肺臓」を傷つけると、呼吸によって「酸素」が得られなくなり、

喘息などの「呼吸器不全」を起こしてしまうと、当然血液を作るのに必要な栄養分の「酸素」が乏しくなり、

寒さから来る血行不良が始まると全身に血液が届かなくなり、他の臓器の機能も低下してしまう、ことになってしまうのです。

そして強烈な真冬の寒気(※外気:外邪)が体内に入られてしまうと防衛機能も低下してしまい(※内気:衛気)

発熱を起こすと体力の消耗をしてしまいます。

ですから、

相生:木火土金水の「水:腎臓」を「冬」で痛めると、次の季節の春に「木:肝臓」の気が回らなくなり、

それが続くと結果的に「慢性の病」に繋がることになってしまい、周期が巡り、改善に向かわないと、

悪化という「疾患」の大きさを広げてしまう、ということです。

「病や疾患」は、相克の観点で「克される」ことの連鎖で、各臓器の気の巡りが一巡せず、

機能が少しずつ低下が始まり、「血」「肌」「皮膚」「骨」「筋」の細胞が古いものと新しいものとの交換が行われなくなることから、

肉体:身体全体が結果として、弱くなっていく、という状況です。

相生:木→火→土→金→水の周期ですが、

冬からの周期ですと、

冬→土用→春→土用→夏→土用→秋→土用→冬

相生の気の循環では「腎臓→心臓→肺臓→肝臓→脾臓→腎臓」

 

これがよく循環していれば、「腎臓の気:腎気」が強く、秋の意識呼吸法で呼吸機能強化を図り、

 

夏の血液循環がよくなっていると心臓の機能もよくはたらき、

 

皮膚における毛穴(皮毛)も、肌も細胞交換が行われていて、乾燥肌になることもありません。

 

初冬の意識的な五臓の強化を行っていれば、

 

この冬至を前に、真冬の寒気(現在は最低気温3度~最高気温9~10度)の乾燥した空気の中でも、

 

呼吸機能:肺は強くなっており、呼吸器に悪影響を受けることはありません。

 

そして昨年の冬から健全な心身で来ると、この春の「肝臓:肝気」が更に高まり、

 

気血(新鮮な酸素を取り込んだ血液)は、全身によく循環し、体温上昇がしやすく、保温効果、防寒対策で体内は、

 

コーティングされており、それが寒気からのバリアの役割を果たします。

 

衛気を高める「腎気」を強くしていく功法

 

①相生 秋:金:肺:鼻の感覚を向上させる。

 肺気を高める意識呼吸法4種(勢)

 

②相克 夏:火:心:舌へ克されない、冬:水:腎:耳を克させない、腎から心への流れを活性化させて感覚を改善させる。

  腎心の気を巡らせる功法:督脈 任脈への動功

 

③相克 土用:脾:口が冬:水:腎:耳を克す、土用:脾:口 →土用:脾:口の力を弱めさせる改善方法。

 脾肝の気を巡らせる功法:転臂

 

④相生 秋:金:肺:鼻の感覚を向上させ、冬:水:腎:耳の感覚を高め、

 春:木:肝:目に向けて活性化を図る功法:翻手

 

⑤相生 春夏秋冬で、「五臓、五感、五気」を四季全体で行って来た、

 「春:木:肝:目」「夏:火:心:舌」「土用:脾:口」「秋:金:肺:鼻」

 そして最期に迎えた、この季節「冬:水:腎」の気が力強く巡り、快適な心身感覚になります。

 

そうなると、腎気は強く、冬の季節の長所「筋骨の強化」「質の良い栄養分摂取」「快適な質の良い睡眠」

「心地好さのある温かみ」の恩恵を楽しめるようになります。

 

しかしながら、世間の多くは「健康不安」「病気への恐れ」を抱くようになり、

年末には、慌ただしいリズムの中に追い込まれてストレスを抱えてしまうようになります。

 

そこで、「質の良い運動」「質の良い睡眠」「質の良い食材の摂取」ができない状態で生活習慣で、

ストレス解消もなく、疲労が慢性的に体内へ蓄積させてしまうと、

体調不良や不具合を起こして回復も遅くなっていく傾向があります。

相克で冬:水:腎臓からの影響では、

水:腎臓を克すのは、土:脾臓であり、そうなると、

水:腎臓は、火:心臓を克すことになり、最初の発端はここから始まっているのです。

 

 

「病は気から」 弱めてしまった腎臓の気:腎気を回復させる功法

 

①相克 土用:脾:口が冬:水:腎:耳を克す、土用:脾:口 →土用:脾:口の力を弱めさせる改善方法。

 脾肝の気を巡らせる功法:転臂

 

②相生 秋:金:肺:鼻の感覚を向上させる。

 肺気を高める意識呼吸法4種(勢)

 

③相克 夏:火:心:舌へ克されない、冬:水:腎:耳を克させない、腎から心への流れを活性化させて感覚を改善させる。

  腎心の気を巡らせる功法:督脈 任脈への動功

 

④相生 春:木:肝:目を活性化するために、夏:火:心:舌への流れを活性化させて感覚を改善させる。

 気血を全身へと巡らせるための導引術と立禅の功法

 

⑤相生と相克 相生:肝→心→脾 動気功 立禅

          相克:心→肺 静気功 臥功 座功:丹田呼吸法 ※ゆっくり(下中上 顔面マッサージ)

  

 

今、ふと感じるには、こうして学び得たすべての「功法」「運動哲学と理論」そして「伝統中国思想」は、

これからの日本に広める使命を感じ、本当に来年2019年から始まる、新元号、新しい時代で活かしていきたいと思います。

 

鷺