太極拳文化における「意・気・力」の意

 

 

中国文化の歴史長き、予防医学・養生の理論や実践方法に加え、導引術、五禽戯、八段錦の功法に攻防技能の武芸技法が融合し、

思想哲学をも、処世術という意識感覚も、ゆっくり時間をかけて”太極拳文化”は誕生しました。

 

正しい”太極拳”は、ただのレクリエーション活動のような老人向け体操的運動なのではなく、

武芸、予防医学体育、思想哲学の3つが融合して出来た歴史ある「体育運動文化」です。

 

太極拳運動

〇原理

意識:以心行気、以気運身、心為令、気為旗、腰為載、拳勢呼吸、眼神注視・自然視
身法:手法、歩法、体幹、立身
放松:両肘、腰、股関節、全身


〇応用

化勁:粘・走
発勁:引・拿

 

 

木火土金水、五行の気を練り、「相生の気」で春夏秋冬土用に五臓を活性化する1800年の歴史ある国家級非物質文化遺産「五禽戯」

 

伝統気功 華侘五禽戯13式

 

 

 

伝統気功 華侘五禽戯26式

 

 

 

五行意識では、「相生の気」を高め、意識感覚では、

 

「意境似水:意識・おもいの置かれた環境は”水”に似ている」「水滴石穿:集められた”水の一滴”は石をも穿つ」

 

が特徴の国家級非物質文化遺産「伝統陳家溝式 太極拳」

 

 

 

 

そして五行の気を練り、「相克の気」を活用して、

「以柔克剛:柔を以て、剛を克す」

「因勢利導:勢に乗って利を導く」」

 

春夏秋冬土用の季節感の それぞれに五臓を刺激し合い、

脳、手足身体全身、五臓内臓全般を活性化できる上海非物質文化遺産の「龍身蛇形太極拳」

 

 

 

 

 

意を練る。

 

太極拳文化における、その総合的な特徴としては、

 

「意境似水:意識・おもいの置かれた環境は”水”に似ている」

「水滴石穿:集められた”水の一滴”は石をも穿つ」

「以柔克剛:柔を以て、剛を克す」

「因勢利導:勢に乗って利を導く」」

そして、

”陰陽五行論”での「意」があります。

 

来週の土曜日は「冬至」を迎え、五行論の養生意識をご紹介したいと思います。

五行:木火土金水の関連する、臓器と情感では、ちょうど今の季節。

 

冬は「腎臓と恐れ」春は「肝臓と怒り」夏は「心臓と喜び」土用は「脾臓と思い」

秋は「肺臓と悲しみ」

 

そして、再び冬を迎えて「腎臓と恐れ」というような、

 

大自然のサイクルと人間の感情と感覚、そして行動は連鎖反応で繋がっていきます。

私達が普及し広めている練功と修養の成果は来週の土曜日は「冬至」ですが、「真冬の入り口」にさしかかり、

自身の有する心身への実感から来る「事実」から、今日を確認ができるようになります。

五行で冬は「水」この年を迎え、春夏秋での成果は半年前の「夏至」から始まり、来週の「冬至」を迎えられます。

夏は「火」今年の夏時期を経て高められた「心臓と喜び」の「感情や感覚」は五行の「相克の気」を”因勢利導”

つまりは「克される」勢いをうまく、利に結び付ける智慧と実践にあります。

その為には「心臓:心気 と喜び」つまりは「幸福感、満足感」の快適な心地好い感覚を維持していく為には、

 

実際の意識と功法の実践で「腎臓:腎気 水:恐れ」からの力を弱め、

その前の「脾臓:脾気 土:思い」の情感を減らし、そして五行は連続関係にあるので、

 

その前に「肝臓:肝気 木:怒り」を鎮め、そうなるとその前は「肺臓:肺気 金:悲しみ」で落ち着きを持ち、そ

うなるとゆとりの生まれた「心臓:心気 喜び」がロスをすることがなく、

 

次の来季の春から来る「相生の気」を受けて「心臓:心気 喜び」はいいかたちで増長していくことで、

年々に心身のはたらきは安定して「信頼」や「満足感」という「心臓:心気 喜び」はしっかりと「意守」守られていきます。

「継続は力」であり、そしてまた「力」が増していくからこそ「継続」がやりやすくなっていきます。

しかしながら世の中を見渡すと「心臓:心気 喜び」よりも「腎臓:腎気 水:恐れ」を大きくしていく傾向があると感じます。

そうなってしまう原因や理由は、五行論の「相克」の意味での「克されて」しまうと、

この冬になり「腎臓:腎気 水:恐れ」の力が増していく感覚が強くなってしまうと、人間の心理は、

人々の「心臓:心気 と喜び」の感覚を”妬み””僻み”の情感を持つようになり行動を起こすようになります。

心理的にそうなると、その前の「肺臓:肺気 金:悲しみ」が増し、心に自信がなくなり、そして五行はすべてが相関関係にあるので、

その次に「肝臓:肝気 木:怒り」が強くなり、攻撃的になってしまうのです。

 

そこで次には「脾臓:脾気 土:思い」の情感が強く数が増えてしまい、それが再び「腎臓:腎気 水:恐れ」に移行してしまい、

再びに「心臓:心気 と喜び」の感覚を”妬み””僻み”の情感を持つようになり行動を起こすようなことを繰り返すか、

心身は疲労と摩耗を繰り返し

 

「生体エネルギー」がどんどんと不足して「生命力」を弱めてしまう方向へ行き寿命を縮める結果になってしまうのです。

どんどんと繰り返せば当然に「心臓:心気 喜び」は弱まり”気”を減らし、

 

「不幸的、あるいは不満足感」ばかりが強くなり、「五行:五臓の気」は失われてしまうのです。

そうならないためにも「意」を練り、「気」を練り、「力」を練ることの重要性が判ります。

 

気を練る。

煉気

推動:推し動かす。
温包:血行促進効果による体温上昇、温かみを包む:保温。
防御:防衛の気、”衛気”つまりは防身、ありとあらゆるものから身を守る。
堅固:意守、意識・精神を守る。
気化:変化、水のごとくに千変万化を図り、臨機応変に行動する。
栄養:食物からの”気”を摂取する、食材を選び体内へ入れる。


力を練る。

「身法十要」

提起精神 虚領頂勁 沈肩墜肘 手与肩平 含胸抜背 

気沈丹田 松腰松胯 尾閭中正 胯与膝平 立身中正 


太極拳における”武術功法” 

太極十三勢「太極拳八法、掤、捋、擠、按、採、挒、肘、靠」

「歩法五種、進、退、右顧、左盼、中定」

(※これが、不足したままだと、己の武芸における”力”が高まらず、自信に結びつかなくなり、自身の太極拳での進化を感じることができず、「偏差」と呼ばれる妄想・空想的で精神面も動力面でも、不自然な意識を高めてしまう太極拳をする人が出てきてしまう理由です。そういった不自然な太極拳をしてしまうと、精神的、肉体的にも不合理になることで正しい中国武術界では厳しく戒めています)

 

今年2018年も、のこり2週間と3日です。

有終の美を飾るべく、五行の気。中でも「心気:喜び」は「心、脳」と直接繋がるものであり「意・気・力」と充実させて、

どうぞ元気にお過ごし下さい。