「去年買ったもの○か×か」
第二弾はソニーのモニターヘッドホンMDR-MV1
実売価格5万円前後の高級モデルですが、昨年4月に販売が開始されると同時に大人気となり、アマゾンでは今でも1か月に200点以上売れるとか
MDR-MV1の売りはソニー初の開放型モニターヘッドホンだということ。
そもそもヘッドホンとは何かというと、文字通り頭に装着するΩ型のステレオスピーカー。
耳の穴にねじ込む小型のタイプはイヤホンといいます。
ヘッドホンには大きく分けて開放型と密閉型のふたつがあります。
開放型は左右のスピーカー部のケース(ハウジング)がザルみたいに穴だらけのタイプ。
一方、密閉型のハウジングは耳に当てる開口部以外に空気穴はありません。
開放型がザルなら、密閉型はお椀のような感じです。
密閉型のメリットは遮音性が高く、音漏れが少ないこと。
音が外に逃げないために低音がよく出るメリットもあります。
ちなみにノイズキャンセリング機能がついたヘッドホンはすべて密閉型になります。
密閉型のデメリットは、通気性がないので夏場は暑いこと。
また音がハウジング内部で共鳴して中低音が増幅される反面、高音がタイトになって音源によっては音がこもりがちになる場合も。
次に開放型は文字通り開放感があり、密閉型よりナチュラルな音質を得やすい点がメリット。
装着感も密閉型より快適です。
デメリットは密閉型とは逆に外の音が聞こえやすく、ヘッドホンの音も外に漏れ出しやすいこと。
ちなみにモニターヘッドホンとは、レコーディングやライブでの音作りや音響の善し悪しをチェックするために用いるヘッドホンをいいます。
音質に余計な味付けがなく、音調の微妙な違いを聴き分けるために高解像度の再生能力が求められます。
MDR-MV1の音質はまさにモニターサウンド。
解像度が高く、細かい音までよく拾います。
周波数特性がフラットなので、一聴しただけでは特徴に乏しい薄味のサウンドにも感じられますが、開放型では不利とされる低音域もしっかり出ています。
MDR-MV1には音が全方位に広がって聞こえる「360 Reality Audio」という技術が導入され、立体音響の制作にも適応。
そのせいか音源によっては音に独特の広がり感が出ます。
本体重量は約223gと超軽量。
またインピーダンスが24Ωと開放型では非常に低いのも特徴です。
インピーダンスが低いと能率が良くなり、ボリュームが小さくても大きな音が出せるのがメリット。
低インピーダンスを実現するにはボイスコイルの巻数を増やす必要があるはずですが、それをこの軽さで実現しちゃうのはさすがソニー。
能率が良いのでスマホでもガンガン鳴りますが、MDR-MV1のプラグは6.3mm径のステレオ標準プラグなので、スマホで使うには付属の変換コードを装着しなくてはいけません。
これがまたけっこうでかい。
ケーブル長も2.5mと長く、スマホでは使い勝手が悪すぎます。
MDR-MV1のインピーダンスが低いのはスマホで聞くためではなくダイナミックレンジを稼ぐため、と考えた方が良いでしょう。
ケーブルは着脱式。
どうしてもスマホで使いたい人はケーブルを交換する手も。
ただしMDR-MV1のケーブルソケットはねじ込み式で、今のところソニー純正の交換用ケーブルはありません。
ちなみに私はバランス接続をするためにソニーのMUC-S12NB1という5極バランス標準プラグのヘッドホンケーブルに交換しました。
こちらは実売13000円前後。
本来はMDR-1A用のケーブルなので本体側はねじ込み式ではありませんが、問題なく使えます。
ケープル長は1.2m。
短いので取り回しも楽になりました。
そんなこんなでソニーのモニターヘッドホンMDR-MV1は○か×か。
個人的見解としては○-1.0。
ゴジラかよ
私は年齢的に聴力の減退を感じているので、これが最後の贅沢だと思って買いました。
よくできたヘッドホンですが、かなり高額なモデルですので、人様にはおすすめしません。
おしまい
本日もご覧いただきありがとうございました。