横浜市立みなと赤十字病院ERのブログ -2ページ目

博士課程

横浜市立みなと赤十字病院は,読んで字のごとく赤十字の病院です.大学病院ではありません.

昨今,〇〇学会専門医や〇〇学会認定医など,自身の所属する学会の認める資格取得を目指す医師が多い中,やはり大学院に進んで学位を取りたいと言う医師もいます.

その場合,大学病院ではない市中病院に勤務していると,多くは勤務先を退職して大学院に入学しなければならず,当然,臨床からは離れるし,お給料はガクンと減るし,と臨床系の医者にとっては学位取得はどんどん遠い存在となっています.

そんな人の声に応えるべく社会人大学院があるわけですが,当科からもこれまで2名が社会人大学院で学び,博士号を取得することができました.

もちろんそのために4年間,大学院の講義を聴講し,実習参加などの義務はありますが,社会人大学院なので仕事を終えてから登校することができます.

仕事と両立なので時間的な余裕はなくなりますが,それでも病院や周囲のスタッフの協力などもあり,無事に学位を取得できました.

もちろん所属する講座の協力が大きく,両人とも東京医科大学の人体構造学教室の御協力の下に取得することができました.

 

 

教授のお人柄もさることながら,教室員の方々がとても優しく,本当に快く受け入れていただいたことに感謝しています.

 

学位をとってもほとんど恩恵はない!という方もいらっしゃいますが,臨床ばかりやっている人間にしてみれば,基礎研究をしてみたり統計学の勉強をしてみたりと,普段とは異なる知識や経験に触れられることはとてもいい機会になるものです.

 

市中病院でも,働きながらでも学位は取れる!

あとはその人のヤル気次第でしょうか?

羽田空港訓練

 日本赤十字社は羽田空港と災害協定を結んでおり,羽田空港で災害が発生した際には救護に向かうこととしています.

 そんな訳で,年に1回は羽田空港で実地訓練を行なっており,先日も当院の救護班が訓練に参加して来ました.

 当日は東京DMATや地元医師会なども参加して,病院の垣根を越えた連携訓練が行われたのですが,臨機応変に,現場の状況に応じた柔軟な対応が必要とされます.

 そんな中でとても大切に感じるのは顔の見える関係性であり,今後も関係構築のためにも訓練に参加していきたいと思います.

 

 実は,昨年,羽田空港で航空機の事故があった際に,当院から救護班を送りターミナル内に救護所を設けました.

 どんな時でも災害は起こって欲しくはないのですが,実災害に備えた訓練を繰り返し,顔の見える関係構築の必要性を感じた瞬間でした.

これからの教育

厚生労働省の統計では,昨年度,みなと赤十字病院の救急車受け入れ台数は日本一だったようです.

特段優れたものを持っていたわけではない自分は,まさかそんな身近に「日本一」という称号があるとは思わず,さりとてちょっと背筋が伸びる思いもします.

当院には医療ドラマに出てくるようなアイドル並みのフライトドクターもいませんし,ハイブリッドERのような最新の高額医療機器もないかもしれませんが,「数も力」を合言葉に,多くの患者さんに接して得られた経験を,新たな知見にしていくことが今後の課題だと思います.

そしてそれを研修医たち,次世代の人に引き継いでいく・・・.そういった教育をしていくことがこれからのみなとERにとって課せらた使命だと思っています.

「習うより慣れろ!」で育てられた自分は,どうしても同じような教育方法しかできないのですが,やはり時代に合わせた教育方法に切り替えていく必要があり,なかなかうまくできずに模索しているところですが,一歩一歩前に進んでいます.

霧の先に見えてくる景色はどんな景色なのか?

まだまだワクワク,ドキドキです.