フーテンの横チン -274ページ目

魅惑の九州ぶらり旅~①初っ端からトラブル発進~

2014・2・8~福岡・北九州市~
 眠気が吹っ飛ぶ寒さだった。前夜に愛媛・松山観光港を出発したフェリーは午前5時過ぎ、小倉港に到着した。約30分前に起床し、寝ぼけまなこで窓の外を見てみると、白いものが横殴り状態で降っていた。えっ?何??雪???なんで????いきなり、テンションが下がった。せっかくの旅なのに…。寒いのが大っ嫌いな39歳のオッサンはただ、ため息をつくしかなかった。

 がっくり肩を落としたまま、タラップを降りた。まだ暗闇の中。空を見上げると、みぞれ交じりの雪。小さな子どもだったら、はしゃいでいるんだろうけど…。浜風も身に染みる。まあ、じきに天候も回復するっしょ。心の中で言い聞かせながら、雪の中をJR小倉駅方面へと歩いた。

 雪宿り代わりにに構内で荷物を置いて、ちょっぴり休憩。ふと上を見上げた。ああ、なんかデッカイ置物があるなあ…。その数秒後。え??よく見ると、モノレールだった。第一印象は「危ねえ…、怖え…」。いくら柵があるとはいえ、大地震とか起きたりして揺れたら、下に落っこちそう…。もちろん、安全性は十分に確認して運行しているんだろうけど、この光景を見たら、乗るのが怖くなってきた…。
 午前7時30分発の長崎行きまで時間があったので、マクドナルドでコーヒーを飲んで時間をつぶした。出発15分前に腰を上げ、バス停へ向かった。そして、10分前。バス停で足踏みをしながら寒さをしのいでいると、後方からバス会社のお姉さんが…。「お待ちのお客様~、7時半の長崎行きは高速道路の通行止めのため、運行を見合わせていま~す」。えーーーーっっっっ?????

 時刻表を見てみると、いつの間にやら張り紙が…。午前7時前に確認に来た時にはなかったのに。もう、早く言ってよ…。心の中でつぶやいていると、母親らしき女性といっしょにいた20代中盤の娘さんらしき女性が猛烈に抗議していた。
 「あのっ!次のバス、予約しているんです!!絶対に乗らないといけないんですよ!!どうしてくれるんですか!!!!」あ~あ…。せっかくの美貌が台無しだ。あれじゃ、駅や空港で周りを気にせずに怒鳴っているオッサンやオバチャンといっしょだ。後方で、お母さんらしき人が申し訳なさそうにしている。自然が原因なんだから、バス会社の人に文句を言っても意味ないのに。ああはなりたくない。そう思った。
 しかたない。バスはあきらめて、とりあえず列車で博多まで行くか。JR小倉の改札を通って、ホームに下りると…。

 うわあ、線路が雪化粧だ。遠くの山も真っ白。東北や北海道に間違って来たのかと思うほどだった。まあ、全国的に雪模様だからなあ。列車に乗り込み、窓越しに遠くを眺めた。山間部は、やっぱり雪景色。でも、トンネルを抜けると、雪はまったく降っていなかった。あいかわらず、曇り空だったが…。
 博多駅に着いて、バスターミナルで高速バスに乗り換え。もちろん、予定になかったので、チケットは買っていない。急いで切符売り場に行くと「あと5分で、長崎行きが出発しま~す。お乗りの方はいらっしゃいますか?」のアナウンス。はい、はい、はいっ、乗りま~す!切符は買っていないんですけど、中で買えますか?「満席なんですが…」。えーーーーっっっっ!!!!次の便は??「たぶん、夕方まで空いていません」。……………………。
 その場で困っていると「補助席でもいいですか?」。神の声だ!!!はい、大丈夫です!!!!結果的に、次の停留所の天神でキャンセルがあり、ラッキーにも普通席に座れた。ホッとひと息ついて備え付けの派手なデザインの赤い冊子を読んで「ああ、やっぱり、この祭りがあるからなんだな」と妙に納得してしまったのだった。
 

約18年ぶりの小倉行きフェリー


2014・2・7~愛媛・松山市~
 いや~、久しぶりだ~。仕事を終えた後、松山観光港へ。福岡・小倉行きの夜行フェリーに乗り込んだ。大学4年の時に就職活動の際に使って以来だから、たぶん約18年ぶり。でも、まったく変わっていなかった。ロビーもそうだし、雑魚寝の2等席もそう。質素だけど、なんだか落ち着く。ただ移動するだけなのに、特等席なんて必要ないもんね。
 大学3年の時、弟が博多の専門学校に通っていて、当時ゾッコンだった谷村有美(なつかしい~!)のコンサートに行った。有美ちゃんが目を見つめて手を振ってくれて「目が合ったぞ!」とはしゃいでいると、弟に冷めた目で見られた。4年の時、福岡の放送局の入社試験の3次面接で、松山千春の「君を忘れない」を熱唱。「よっしゃ~、めっちゃ目立った!」と喜んだのもつかの間、その歌詞の通り、見事に砕け散った…。
 思い出の詰まった船で渡る、久しぶりの九州の旅。天気予報は悪いけど、そんなの関係ねえ!!新たな記憶をつくりに、さあ出発だ!!
 

再び帰還した寒冷前線


2014・2・6~愛媛・松山市~
 うひゃ~、めっちゃさぶい!!昼前から、小雪が降り始めた。少しずつ暖かくなって、白や赤の梅が咲き始めたというのに、寒さが舞い戻ってきやがった。どうなってんだよ、この地球は!!窓から遠くを見つめながら、寒いのが大の苦手なオッサンは心の中でつぶやいた。
 昼休み、完全防寒して西堀端へと向かった。空から舞い落ちる小雪は強くなったり、弱くなったり。雪国のような白銀の世界とはほど遠いが、衣服のすき間から入り込む冷気が肌を刺激する。市駅方面から、チンチン電車がやってきた。車内はあったかいのかな?それとも、やっぱり寒いのかな?濡れた線路の上を入る姿を見ながら、急いで会社へと戻った。