帝王切開について | *冷えとりバリ島ハッピーライフ*

*冷えとりバリ島ハッピーライフ*

2度の流産をきっかけに始めた冷えとり生活も早8年、心と体を温めるっていいよ!って伝えたくて始めたブログです。
2016年に家族でバリ島シガラジャに引っ越しました。
自宅でココロをあたためるヒーリングサロンやってます♡

「帝王切開」というキーワードでお越しいただいている方もいらっしゃるので、私の場合についてご説明したいと思います。

私は2年前に子宮筋腫の手術をしており、子宮の手術跡の皮膚が薄くなっていて、通常の分娩に耐えられない可能性があるとのことで、あらかじめ帝王切開になると決まっていました。逆子が直らない、とか、緊急帝王切開になる方とはちょっと事情が違うかもしれませんので、その点ご了承ください。


まず、切開方法ですが、私の場合は、以前の子宮筋腫の手術が縦切りだったので、選択の余地なく「縦切り」となりました。美容の観点から「横切り」を選ばれる方もいらっしゃるそうですが、主治医によると「術後の痛みは間違いなく縦切りの方が楽です」とのことでした。手術時間も縦切りの方が短くてすむんだそう。ちなみに、傷はおへその指3本分下あたりから10センチほどの長さです。この長さはおそらく赤ちゃんの頭の大きさに比例して変わってくると思います。

手術の際の麻酔は、脊髄くも膜下麻酔(下半身麻酔)となります。


まず、手術の前日にへそのゴマのチェックと手術部分の毛剃りをしてもらいます。

食事は夕食まで普通にとり、0時以降は絶食。水分は手術当日の朝6時まで大丈夫でした。

寝る前に、下剤と眠剤を服用、私の場合はお腹の張りもあったので、念のために張り止めも服用しました。


手術当日。

6時30分にベビーの心音チェック。7時30分に浣腸、その後シャワーへ。

手術着に着替え、エコノミー症候群防止のための弾性ストッキングをはきます。その時、パンツは履いたままです。その後点滴。手術予定時間の10時半までは、自室で過ごします。

そして、手術時間の5分前に、歩いて手術室へ。


手術室へ入る前に、パンツを脱ぎます。

その後、手術室へ入り、手術台へあがります。

手術台に上がると、横向きに寝て、腰椎に注射をする前に、その注射が痛くないような麻酔(アルコールっぽいもので拭いたような感じでした)をしてもらいます。その後注射。その前の麻酔が効いているのか、普通の注射と変わりない我慢できる痛みでした。その後からだの向きを仰向けに変えてもらい(もう自分では動けません)、血行をよくするための温かい足全体を覆うような大きな袋状のものを履かせてもらいます。

麻酔が効いているかを入念にチェックした後、尿管を入れます。


その後、「○○さん、子宮筋腫核出術後妊娠のための帝王切開を始めます(だったと思う)」というような主治医の挨拶の後、手術開始。手術の手元が見えないように、顔の下にカーテンのようなものをひいて隠してくれます。が、耳は聞こえるので、随時「今は消毒しています」とか、作業内容を逐一説明してくれます。手術室には音楽もかかっていて、私はすることもないので、音楽を聴きながら寝ころんでいるだけのような感じです。


大体30分くらい経過したところで、赤ちゃんを取り上げます。赤ちゃんを出す時にお腹をぐっと押されるのですが、これは麻酔が効かないので、普通にお腹(胃の辺りです)を押される感じもしますし、赤ちゃんをひっぱる感じもします。特に痛いとかはないのですが、押されるから苦しく感じましたし、「今お腹が開いてるんだ」と思うとちょっと変な感じがしました。それから「赤ちゃんの頭が出ましたよ」「あ、足も出た」という声とともに、文字通り「おぎゃー」という声が。


出た瞬間に、時間を読み上げる声がしました(これが出生証明書に書かれる時間となります)。赤ちゃんはいったんどこかに連れていかれ、帽子をかぶって胸にモニターをつけた状態で「お子さんですよ」と見えるところまで連れてきてもらえます。そして、「カンガルーケアできそうですか?」と確認を取られ、胸の辺りに乗せられます。その間に、胎盤を吸い出したり、お腹をふさぐ処置をしていたのだと思います。その間30分くらいずっと乗せられたままでした。カンガルーケアで亡くなる、とか、呼吸が止まっているのに気がつかず後遺症が残る、などの事故があるようですが、私の場合は、赤ちゃんのそばに小児科医と看護師がついていてくれて、きちんとケアしてくれていました。後でわかったのですが、呼吸がうまくできていない時があったようで、ホースのようなものを顔に近づけ(おそらく酸素ではないかと思います)、呼吸を補助してくれていました。


あらかた処置が終わった頃、赤ちゃんと記念撮影をして、赤ちゃんだけが先に手術室から出て、透明の箱のようなものに入れられ、つきそいの人間に見せに行ってくれたようです。

その後、私も病室にベッドごと連れて帰ってもらいます。これで終了。切った部分はホッチキスのようなもので固定してあり、上から透明のフイルムを貼ってありました。

普通の分娩よりはやはり出血量は多かったようですが、輸血などせずに終了したとのことです。


時計が手術室には見当たらなかったのであくまでも感覚ですが、手術そのものはトータルで1時間程度だったように思います。本当に寝転んでいるだけで、せいぜい麻酔の時に注射をしてもらいやすいように横向きで丸まった体勢になるくらいしか、自分ががんばることはありません。

手術中の雰囲気はとても和やかで、手術そのものは特に難しいものではないのかな、という気がしました。音楽を聴きながら「お、この曲はまたなつかしいねぇ」などと、先生たちが雑談をしながら手を動かしていたくらいですから。なので、帝王切開自体は、それほど怖がらなくて大丈夫ではないかな、と思いました。

実際、手術のリスク説明を受けた時も「海外旅行に行くのに、飛行機に乗るでしょ。落ちることなんてめったにないんだけど、落ちたら死ぬかもしれません、っていう説明をせざるを得ない。この手術も、その程度のものだと思って」と言われました。

私はひそかに「赤ちゃんを間違って切ってしまったらどうしよう」とか「途中で麻酔が切れたらどうしよう」とか心配していましたが、まったくそんな必要はありませんでした。一応、麻酔医がフランクそうな方だったので「途中で麻酔が切れたりなんてしませんよね?」なんて冗談めかして聞いていたのですが、「ま、そんなことはないと思うけど、切れたらすぐにまた麻酔しますから」としれっと答えられて、「切れることもあるんかい!」とビクビクしていたのも今ではいい思い出です。


こんな感じで、手術を受けること自体は、患者的にはとっても楽チンでした。まさにまな板の上の鯉。やはり産声が聞こえた時はそれまでの緊張の糸がきれたのか、ほっとして涙が出ました。

手術前日は、眠剤を飲んだにも関わらず、緊張と不安のあまり4時間くらいは眠れたかな、という感じでした。が、これが最後のまとまった睡眠のチャンスだったとは、後で知ることになるのです…。


手術後の入院生活については、また追って書きたいと思います。