深い闇の中に、たったひとつだけ残された生命。
その生命に最後のステージをあたえてあげよう。
そんな空間の中で、アンコール曲 モ愛の讃歌モ が歌われた。
彼女の歌を生で聴いたのは大学の学園祭。
その時はただjazzってなんだかかっこいい
なんていうミーハー心で聴いてたな。
それから10年たった今、
彼女は50歳になり私は30歳になろうとしている。
ひとつひとつの歌を愛おしそうにうたうその姿に、
大人になった私は衝撃をうけた。
歌って、こうやってうたうんだった。
コンサート終了後は、余韻から抜けきれずに、
駅まで3分の道のりをずいぶん遠回りして、
一時間かけて駅まで歩く。
そして今これを書き終えて、もう寝ようとしているのに、
まぶたを閉じてもまだあの光景が目に浮かんできそうで、
ちゃんと眠れるか自信ないな。
だけど、今夜はできるだけ長く夜に浸っていたい気もする。