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なんとか地上に降り立ったニニギくん。
ここから彼のヤンチャぶりは炸裂するのである。
なにしろ、高天原ではアマテラスの直系と言われ、蝶よ花よと育てられた坊ちゃんなのだ。
わがままであることは言うまでもない。

山の神であるオオヤマツミがさっそくニニギくんのことを気に入り、

なあ、あんた、わしの娘をめとらんか⁉️

とオファーすると、

どんな相手か確かめもせずに、

もらうもらう❣️

と、超!安請け合い。

あのねえ、イヌやネコじゃないんだから。

と、天孫族の面々にさとされ、

そっか。やっぱ、いらね❣️

と手のひらを返す始末。

いやいや、さすがにそれはオオヤマツミ殿もお怒りになるだろう。
どうです、どんな娘か、のぞいてみては?

と、遠く離れたものをうつす、遠見のかがみを渡された。

ほお、便利なものがあるものだな。
どれどれ。

と、かがみをのぞくと、どこかで水浴びをしている、うら若き女性のやわ肌が見えるのだった。
(ちなみに、ニニギくん以外のひとには見えない仕様になっております。)

ニニギくんも若いもんだから、これにはまいったね。
イチコロでその女性のことが頭から離れなくなった。

あれがオオヤマツミの娘なんだろうか。
だったらいいな。

そう思い、会ってみたくなったのだった。

続く

 

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