前の話

 

 


高千穂峰にたどり着いた天孫族御一行様。

ほほお、高い高い。
ここからなら、地上世界が一望できるぞ。

ここは天と地を結ぶ接点じゃ。
なにか目印になるものを残していこうぞ。

そう言って、高天原から持ってきた矛を山頂にグサリと突き刺した。

すると、山の神様が

いってーな。なにすんだよ❣️

とお怒りになり、御一行様は山の裾野まで転がり落ちた。

いてててて、手荒な歓迎じゃのう。

ぼく、王様になるのに、なんでこんな目に…。

そう言って、涙目になるニニギくん。

ぼく、泣かないで。飴をあげるから。

女神はやさしくそう言うと、ニニギくんに飴を手渡すのだった。

そんな女神の姿に、

やばい、わし、キュン死しそうじゃ。

と、ますます惚れ込む異形こと、サルタヒコなのであった。

ちなみに、この女神は、天岩戸の前で踊り、引きこもったアマテラスをよみがえらせるのに一役買った、アメノウズメである。

二柱の神はのちに夫婦になるが、それはまた別の話。

続く

 

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