看護師さん向け気道確保の勉強会 | 石原知明〜四日市消化器病センター肝臓内科医〜

石原知明〜四日市消化器病センター肝臓内科医〜

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世間では昨今コロナ肺炎の影響もあって

『人工呼吸器』の話が

よくでてくるようになりました。

 

肺炎などで充分な酸素を

取り入れることができなくなった患者さんの肺に

強制的に空気をおくる装置が

『人工呼吸器』です。

 

人工呼吸器を使う前に患者さんの気管支に

硬いビニールの管を入れる手技を

『気道挿管』といいます。

 

再確認を含めその手順の勉強を

四日市消化器病センターの

看護師さん向けに行いました。

 

 

 

 

 

 

 

こんなモデルがあります

 

歯までついて結構リアル

 

 

 

 

実演します。

口を開いて

舌を抑える道具(喉頭鏡)をつかい、

喉頭(気管支への入り口)を確認し

針金(スタイレットといいます)を通した

チューブを気管支ヘとすすめます。

 

実際は痰とかあって
簡単に見えないことも多いです。

 

針金は入れる途中で抜きます。

 

ちゃんと肺が膨らむかとか、

チューブが浅すぎ深すぎでないかを

聴診器で確認し、

チューブが抜けないように口元で固定します。

 

 

医師と一部の救急救命士しか

許可されていない手技ですが、

挿管の介助技術向上には看護師さんにも

実際を知ってもらった方がいいと考え、

順番に挿管実技を行なってもらいました

 

 

 

 

看護師「えええ‥(声帯)見えん!難しい」

医師「実際は患者さん動いてるから、
もっと難しいよ」

看護師「もっとしゃがんだほうが見えるんやに」

看護師 「両手👐が塞がってる!
誰か私に聴診器をつけて🙏」

看護師「(気道ではなくて)食道に入ってる。やりなおしか‥」

医師「首の角度があかんのやに」

 
手際よく一発で挿管する看護師さん発見!

医師「おおお、上手やな〜」

 

こんな感じで、

お医者さんがいつ何をアシストして欲しいか

わかってもらうための体験をしてもらいました。

 

なお、人工呼吸器につながれた方は

こんな姿です。

 

 

 

挿管されるのも苦しいことですし、

挿管するのもなかなか大変です。

 

そして‥‥

人工呼吸器があれば

『助かる』ようなイメージを

持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

 

 残念なことに肺炎でこの状態になった方が、

救命できるとは限らず、むしろ

〝自力で酸素を取り込むことができない〟

ということなので

〝結構厳しい状況になってる〟

ってことなんです。