オール・アバウト・マイ・スペイン -51ページ目

語学学校選び①

スペインには数え切れないほど語学学校がある。

その中から一校を選び出すには、自分が何を一番に優先とするのか、

よく考えなければならなかった。


私の優先順位は何よりもまず、

その学校がビザ申請に必要な書類を作ってくれるかということだった。

続いて授業料の安さ、それからロケーションも大事よね。


スペインの語学学校には、大きく分けると2つのタイプがある。

大学附属の語学学校と私立の語学学校だ。


一般的に私立の語学学校は、大学に比べ一クラス当たりの生徒数が少ない。

私立が一クラス平均5~8人のところ、大学では最低でも15人ほどだ。


それから私立では毎週月曜日に新しいコースが始まるので、

最低1週間からでも授業を受けることができる。

コース期間中に週単位で休みを取ることも可能だし、何かとお得な感じだ。

お客様 (=生徒) は神様なのです。

一方、大学では最短でも1ヶ月からの受講になるらしい。


授業料については勝手な偏見で、大学の方が安いと思い込んでいたけど、

今回調べてみたところ、マドリッドではあまり差がないことがわかった。


何だか俄然 私立の良さが目立ってるけど、もちろん大学の良さだってある。


例えば大学では同じ敷地内で現地の大学生が勉強をしているので、

スペイン人の友だちを作るチャンスが私立よりも多いかもしれない。


それに大学内の食堂や図書館、ジムなどのスポーツ施設も自由に利用できる

みたいだし、これはかなりポイント高くありません?


おまけにもうひとつ。


日本に帰国した後、スペインへ留学していたと言うと、

よく 『どこの大学で勉強したの?』 と聞かれる。

その時 『○○大学』 と言うのと、 『私立の語学学校』 と言うのでは、

明らかに相手の反応が変わってくる。

特にその相手が年配にであればあるほど、その傾向は強い気がするので、

もしかしたら就職活動で有利になるような、ならないような 。

2つの問題

新しい生活への期待に盛り上がる私とノビオの前には

2つの大きな問題がありました。


まず1つ目はビザの問題です。


現在日本人がスペインへ渡航するにあたって、

滞在日数が90日までであれば特にビザを用意する必要はない。

ところが滞在日数が90日を超える場合、就労・学生・配偶者ビザなど、

期間や目的に応じたビザを所得しなければならない。


そして2つ目にして最大の問題が私の両親です。

実は親にはずっと、スペイン人と付き合っていることは内緒にしとりまして。


我が家は両親・姉を始め、親戚一同すべてが超ドメステッィクなのです。

その中で私は昔から 『海外』 だ 『留学』 だと騒ぎ、異端児扱いされてきた。


とはいえまさか、誰も私が外国人と付き合おうとは予想もしなかったらしく、

両親にノビオにのことを打ち明けると、すぐさま家族会議が始まった。

ノビオについては家族や生い立ち、仕事や友達のことまで詳しく聞かれた。

そして今後どうするつもりなのか?と。


そこで初めて、私がスペインへ行こうと考えていることを告げると、

両親は案の定、大・大・大・大・大反対。


両親の気持ちもわからなくはないんだけど。

自分の娘からいきなり、どこの誰ともわからない外国人と異国の地に住むと

聞かされて、“へーっ、おめでとう” と言う親はまずいないわね。


一方ノビオはノビオで、私が両親から反対を受けたと聞くと、

“20歳を過ぎた子供の人生に親が口出しするのはおかしい” と、

なんだかご立腹の様子だし。

これって板挟みじゃない? なにげにツラいポジションだぞ。


とはいえ家族会議も第2回・第3回… と3ヶ月続いた後、

条件付きでどうにか両親に私のスペインへ行きを認めてもらうことができた。

その条件を満たすべく、たどり着いた唯一の方法がマドリッドへの留学だった。

人種と国境を超えて

空の上で運命的な出会い (美化) をした外人さんこと、

私の現在のノビオ (= スペイン語で 『彼氏』 の意味) となった彼は、

スペインの首都・マドリッド郊外に住む生粋のスペイン人だった。


ノビオは2ヶ月に及ぶ長い夏休みを利用して日本へ旅行に来る途中、

乗り継ぎのためにパリを経由したのだという。


ちなみに余談だけど、日本-スペインを結ぶ直行便は現在就航していない。

過去にはJALだかイベリア航空で存在していたらしいけど、

スペイン人クルーが10時間を超す長いフライトに耐えられないと訴え出て、

ついに廃線になったという噂だ。


コトの真偽は怪しいけど、知り合いのスペイン人やスペイン通の日本人に

この話をすると、皆 “そうかもね~” と答えるので、案外真実かもしれない。


話を戻して・・・と。


映画のような出会い (さらに美化) をした私たちだけど、

人種と国境を超えた遠距離・国際恋愛は決して楽ではなかった。


言葉の壁、文化の違い、そして何よりも会いたいときに会えないということ。

時間が経つにつれて、休みのたびにお互いを訪ねるという不自然な関係にも

限界を感じた。


そして知り合ってから2年。

話し合いに話し合いを重ねて、私がマドリッドへ行き二人で一緒に住むことを

決意したのです。

出会い

あれは2年前の夏のことだった。


女ともだちとフランスを旅行した私は、はしゃぎにはしゃぎまくった。

パリの郊外でヒッチハイクをし (誰も拾ってくれなかったけど)、

ロンドンへ滞在時間わずか3時間の弾丸日帰り旅行をした。


その結果、成田へ向かう帰りの飛行機ではまるでゾンビ。←スペイン語の表現

人生初の飛行機酔いを経験するハメになった。

座席に座っているのも耐えられなくて、トイレに籠もることにした。


私が乗ったパリ発のエールフランス機内の後部には

ちょっとしたドリンクーナーが設置してある。

そこへ行けば乗客は好きな時に好きなものを好きなだけ飲める。

 (アルコールは乗務員に頼まなきゃダメかも?)


トイレで順番を待つ間、そばにあったそのドリンクコーナーで、

赤鬼?ってぐらい、お酒で顔を真っ赤にしたフランス人に話しかけられた。

赤鬼は何か語り出したが、あまりに息がお酒臭くて気持ち悪かったので

隣にいた別の外人さんに無理やり話を振ってしまった。


まさかその外人さんと自分が付き合い、

2年後その外人さんと暮らすために再びスペイン移住を決めるとは、

ノストラダムスだって予言できなかっただろう。

ビザ申請③

大使館でもらった書類は全部で5枚。


 a. 留学・研究査証 〔長期・6ヶ月以上〕を取得するための必要書類・条件等

 b. Solicitud de visado Schengen (シェンゲン協定加盟国ビザ申請書)

 c. 日本語による上記申請書の記入例 

 d. Certificado Medico (健康診断書)

 e. 連絡データー・メモ用紙


それぞれどんな内容かというと


a. 留学・研究査証 〔長期・6ヶ月以上〕を取得するための必要書類・条件等


 1. 査証申請書(b)の提出

 2. 査証申請及び受領については本人出頭のこと

 3. カラー写真(4.5 × 3.5) 2枚

 4. スペイン入国日より1年以上有効のパスポート

 5. 在日外国人の場合、長期在留資格と再入国許可を保有していること  

 6. 公立・認可された私立の教育機関による入学許可証
 7. 無犯罪証明書の提出

 8. 経済能力証明書の提出

 9. スペイン滞在期間中の宿泊先が用意されていることを証明する書類の提出

10. 海外旅行保険加入証明書の提出

11. 9の宿泊証明として宿泊先が家族や友人宅である場合は公正証書を提出

12. 健康診断書(d)の提出

13. 返信用定形封筒

14. 手数料 8,179円(日本国籍の場合は無料)

15. 査証発給のための必要日数は約2ヶ月半


せっかくここまで書いたので、補足事項も載せてみたりして。


 2. 原則本人出頭だが、申請にあたっては病気などの場合のみ応相談

   受領は必ず本人出頭で本人が国外にいる場合は申請不可

 6. 入学許可証には最低181日以上の出席日数及び授業時間数を明記

 7. 日本を含めて過去5年間に居住した国々の警察当局発行によるもの

   発行日より3ヶ月以内のもの

 8. 日本からの往復経費と月額1,710ユーロ相当額以上を滞在費として支払う

   能力を証するため、下記のいずれかを提出

   ⅰ) 金融機関・郵便局が発行・押印した残高証明書

      発行日より1ヶ月以内

      25歳未満や親と同居している学生は親名義の証明書でも可

   ⅱ) 会社より派遣される場合、そのことを明記した会社発行の保証書

   ⅲ) 給費・奨学金証明書

 10. 滞在中の医療費及び日本への一時帰国をカバーする保険

    英文またはスペイン文で保険会社の押印があるもの

 13. 査証取得の回答が出次第、申請者に結果を通知するため

 15. 時間の余裕をもって約3ヵ月前の申請が望ましい

    逆にそれ以上前の申請は受付不可

    査証が認可後はその通知から90日以内のスペインへ入国が必要

    また入国30日以内に現地警察署で学生証を取得すること 


ここまで読んでくれた人はいるんだろうか…

まあいいや。続いては


b. Solicitud de visado Schengen (シェンゲン協定加盟国ビザ申請書)


その名の通りビザ申請書。

横文字で裏表びっちりと小さな文字が書かれているけど、

c の記入例を参考にすればまず問題はなさそう。

記入事項は、姓名・生年月日・国籍・パスポート情報・現地滞在先など、

別に驚くようなものはないみたい。


d. Certificado Medico (健康診断書)


必ず病院関係者によりローマ字で記入をすること。

コレラ・ペスト・黄熱病の検疫対象疾患

及び

薬物常習・重大な精神異常・猛烈な興奮状態を伴う精神疾患・妄症・混乱による

幻覚症がないことを証明してもらう。

妄想はセーフだ。ふぅ。 


e. 連絡データー・メモ用紙


これだけは用紙がB5サイズでなんか収まりが悪い。

内容は a の申請書のオマケみたいなもので、氏名や国籍・入国日などを

もう一度書けばいい。


以上がビザ取得に必要な手続きらしい。

ここまで書ききって 既にやり終えた感があるけど、

実際はこれから全ての必要書類を集めて、申請書を書かなくちゃなのよね。


っていうかその前に、私の場合はまず留学先の学校を選ばなきゃだった。

行き先はマドリッド、それだけは決まっているんだけど。