社員2000人。
売上高1800億円。
当社の社員は200人。
売上高500億円。(←ボッてますから!?)
ともに中小企業とはいえ、規模は桁違いだった。
規模だけでみれば立派な上場企業クラスだ。
地域密着??
当時の私にはあり得ない概念だった。
ただし、心のどこかで人との出会い、ふれあいを欲していたのだと思う。
実は、この会社からは長年にわたって毎週のようにラブコールがあったのだ。
今思えばとんでもない執念だ。
面接を受けたとか、リク〇ビに登録したというわけではないのだ。
この業界、とにかく横のつながりが本当に強い。
ちょうどタイミングが合い、面接を受けることに。
いきなり役員面接。
笑談すること約60分。
『本当にうちでいいのか?』
『はい、喜んで』
その場で採用が決まった。
『この会社にお世話になる』
自分もその場で決心した。
その場で決心した理由は、もちろん先方の熱い思いがビシビシ伝わってきたからだ。
社長のビジョン。
住宅産業・不動産業界への強い思い入れ。
家を作るのではなく、土地を売るのではなく・・・。
街を創るのであり、街に生き、街に根付く。
従来の自分は、『でっかいことをやってやる!』と息巻いていた。
商談の金額がビジネスの大きさであると考えていた。
もちろん、正しい。
でも、彼女が働く姿を見て、その価値観が徐々に変わっていった。
でっかいこと=お金ではなく、
『どれだけたくさんの人の心に、自分という人間が存在した、という事実を植えつけるか』
になっていた。
要は他人の人生に大きな影響を与えるような仕事をしたい、と考えるようになったのだ。
その過程には、彼女(現在の妻)の存在がある。
彼女が看護士として働く姿に衝撃を受けたのだ。
常に笑顔。
患者さんのために、と精一杯尽くす。
何より自分の仕事に誇りを持っている。
そして、患者さんに感謝される。
躍起になって人を陥れ、そして喜んでいる自分が恥ずかしくなった。
もちろん、企業とは営利追求で成立する団体である。
しかし、営利追求の形は様々である。
サービスを提供した結果、顧客に大きな満足を与える。
その対価として報酬を受け取り、企業が永続発展できるだけの最低限の利益を確保する。
こんなビジネスを追求したくなった。
(つづく)