ジェニファーちゃんがやって来た。
とにかく・・・デカい。
身体もデカいが・・・、その、言いにくいのですが。
ズバリ言っちゃいます。
バストとヒップです。
ついでに言えば、手も足もデカい。
我らが名づけた別名、峰不二子。
セクシービームがビシビシって感じだけど、スタイルだけじゃない。
コロンビア生まれの超美人。
20歳台前半。
愛くるしい瞳。
すっきりとした高い鼻。
性格の良さがにじみ出た笑顔。
キラリと光る、白くきれいに並んだ歯。
なぜ彼女が当社にやって来たか?
物件のオーナーが売買で変わり、新しいオーナーの代理人が当社だったのだ。
『職業は?』
『Dancer-desu』
なんか、 『ベタ 』 な感じ。
『Visaある?』
『・・・、No! 』
あちゃぁぁぁ。
契約書を交わした月の翌月、そんな彼女がいきなり滞納した。
『よかっぺ、お前、英語しゃべれるんだから回収行ってこいよ。』
『・・・、っていうか、彼女スペイン語しか話せないみたいです。』
『大丈夫。似たようなもんだから♪』
うちの社員、日本人以外は全員英語を話すと信じて疑わない。
日本語以外はなんとなく英語だろう、と思っている。
『Watashi-Okane-Haratta-desu-Ne』
『・・・。』
参ったなぁ。
昔のオーナーに家賃を支払ってしまった様子。
法的には彼女のミスである以上、当社は当然に未払い賃料を請求できる。
でも・・・、言葉や文化の違いに戸惑う彼女が自力で誤入金を取り消す手続きを出来る訳がない。
もちろん、彼らの文化を考えれば、請求されたからと言って二重に賃料を払うことはない。
結果、彼女をA銀行に連れて行き、B銀行に連絡を取ってもらい、旧オーナーに連絡を取ってもらった。
『Mr.Yokappe,Arigato-desu-Ne!』
『Kon-do,Omise-ni-Kuru,OK?』
な~んだよ。
よくよく聞けば、お礼じゃなくって営業じゃないの
でも、営業でも・・・彼女に笑顔が戻っただけで満足でした。
下心?
そんなもの、ありません
嘘です。
残念なことに何もなかったですが。
(つづく)