我が輩は「よかもん家」で生活しているパピヨン犬のボス犬パルである。
ボスと言っても下位にいるのは、後から来た、弟犬のノアだけである。自慢にもならない。
生まれのルーツはフランスの貴族階級が寵愛していた犬だそうだ。
今ではざらに町中で仲間に出会う。
パルの命名は、郵便局通帳の、「ぱるる」が元である。
何でもあれはフランス語で、仲間、友達を意味するらしい。同じ意味の英語がパルである。
風説によると、あの通帳の名前が決められた直前までに、外資系による日本統治が完成し、 郵政省解体の目安が付いた、その記念として、「ぱるる」と名付けさせられたとの事である。 スペルは違うが、「ぱるる」と英語辞典をひもとくと、「死体に掛ける布」と出てくる。 日本はもう死に体にさせたとの、裏の意味が垣間見える。
パルはもちろん仲間、家族の一員として付けてくれたとの事である。
ノアは、ノアの箱船から、「よかもん家」の人生の船に乗り合わせた、家族、仲間の意味がある。
日頃横にならないご主人が、腰の痛みのために炬燵に入って横になっている。
我が輩の優位を示すチャンスとばかり、すぐさま上に飛び乗っては見たが、如何せん力の差は歴然。
仕方がないので、顔舐め攻撃でごまかす事にした。
我が輩は顔の中でも特に鼻の油をなめるのが好きである。
しかしいつもなら、舐めさせてくれるご主人から、邪険に追い払われた。
面白くないから、ノアのねぐらを占領してふてくされた。
ノアはオロオロ・・・パル兄ちゃん、そこは僕の場所だよ・・・
群れの順位が違うと、こんな事は当たり前である。
しかしノアだって負けてばかりは居ない。
パルの倍もありそうな長い舌が食事時には大活躍。
犬用ミルクなどはパルの3倍以上の早さで飲み、すかさずパルの食器に首を突っ込む。
良くした物で食事時は喧嘩はほとんどしないで、パルも許している。
ノアがある程度食べた後は、パルが残りの食事を独占する。
食べる早さが違うための、力関係がここでも見られる。
我が輩は、その後ノアに見せびらかしながらゆっくり食べる。
時にはご主人に甘え、食べさせてくれと、ご主人を誘い出す。
ご主人の前で鼻声を出し、体を反転させると、意志が通じる。
いつもならそこでご主人が動きだし、一粒ずつ手から餌をくれる。これが又、旨いのだ、
そうなると見ていたノアも、動き出す、ご主人がいれば、パル兄ちゃんの脅しも効き目無し。
右手からはパルに、左手からはノアにと餌はたちまち無くなる。
同じ餌なのに旨さが違う、何でだろう???
こんな幸せな毎日であるが今日はダメ、散歩も奥さんであった。
早く腰を治療して遊んでよ。・・・・・