池一面が花びらで覆われるほどであった。(写真はネットからの借り物です)
桜の頃、池の面には「オタマジャクシ」の帯が1メートル位の幅で岸に沿ってできる
山道はさながら桜の絨毯で足首が埋まりそうな所もある。
家族連れが誘い合わせ、日頃の質素な生活を払拭すべく、重箱にご馳走を詰めて持ち寄る。
子供達は「ゴザ」を持ち一足先に、場所取りに走る。
今も昔も桜の下は、場所取りの争奪合戦が花盛りとなる。
この日ばかりは日頃食べてる麦飯や代用食が、白米の「おにぎり」となり、
前の日から、心うきうき気もそぞろである。
桜の下で「おにぎり」を「ほおばり」重箱の「おかず」を摘む、
至福の時が過ぎると、従兄弟達との遊びが始まる。
花びらの中で転げ回り、公園のボートに乗せて貰う。
オタマジャクシは取り放題で、出店を見たり綿菓子を食べたりしながら、
池の周囲を何度も巡回する。
漸く戦争から解放されて、大人達の顔も笑顔でゆるんでいる。
昭和23年~30年頃の公園風景の描写ですが、
現在はその中から、「オタマジャクシ」がすっぽりと抜け落ちた。
環境破壊のなせる技である。
「沈黙の春」を何の不思議とも感じず、人は生活し、
自然から、「花粉症」や「アトピー性皮膚炎」などの目に見える形で、
しっぺ返しを受けている。
国が、県が、市が、町が、と言ってる内に手遅れとなる。
貴方も、私も、他人も、身内も、自然は区別してくれない、
みんなが、早く目覚めることを、望んでいます。