お施餓鬼、流灌頂の想い出 | よかもん人生のブログ

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甘木市(今は朝倉市に名称変更)では全国的にも珍しい流灌頂と呼ばれる、

盂蘭盆会の施餓鬼が小石原川下流の甘木川で「8月20日、21日」に行われる。

明治10年西南の役で戦った、官軍と薩摩軍の慰霊の為に明治11年、

施餓鬼供養の大法要が甘木川河畔で行われたのが始まりである。

太平洋戦争のため一時中断したが、

昭和22年に再開し、日清、日露、太平洋戦争、の戦没者も含めて毎年開催されてきた。

お盆に各家庭が仏壇に上げた供物や、施餓鬼供養をした供物を河原に積み上げ、

供養のため、お盆提灯も積み上げられる、それに火が点けられ、読経が始まる。

町中の僧侶が読経する中で、千灯明流しが川面いっぱいに流される。

厳粛にして神秘的な光景が展開する。

一日前の20日は花火大会である、狭い流の反対側で、

約4000発の花火が上がるため壮観である。

花火が真上で炸裂するため少々首が痛いのが難点であった。

仕掛け花火の後は、裏打ちと呼ばれる、スターマインの連発花火でキモを潰していた。

流灌頂の呼び物の一つに鯉釣りの夜店がある。

カーバイトや裸電球をぶら下げて軒を連ねるが、鯉を囲う場所は川原を掘って水を引く。

囲う広さは、およそ畳み2枚程度、深さ20センチ程。

40~50センチの竹竿に糸が付き鯉針が付いている。

糸の強さで値段が違い、安い物は直ぐ切れる、大小さまざまな鯉が泳ぐ中、

めぼしい鯉の口に針を掛け、タイミングを計って引き上げる。

大人も子供も夢中で時が過ぎる、あの感動は何者にも換えがたい、

若き日の想い出である。