父が70歳の時、「古稀記念」として書き残した遺稿がある、「想い出の手記」と表書きしてあり
原稿用紙126枚に我家のルーツから祖父、祖祖父の人となり、エピソードなどが綴られている
知性的な記述で時代考証も付け加えられ、私など足下にも及ばない
ほとんどが私から見たら祖父の話であり、私が生まれた時には、祖父は他界しており祖父を知る
唯一の手がかりとなっている、事業欲の旺盛だった祖父は木賃宿から炭坑経営など次から次へと
手を出し尽くし失敗しているが、その間に「めかけ」を作り祖母を困らせた事まで坦々と書いてある
その祖父が町の名誉職をしていたとき、請け判により家屋敷を全て失った、
今のお金で普通の家4~5軒が建つ金額だったという、父はその借金を40年程かけて返済した
その父が遺稿の最後に書き残した言葉がある
「父さん、あなたは偉かったし、感謝します」
と、書いてある、はたして私が70歳になった時、これだけの言葉が言えるか、はなはだ疑問である
この父を思うに付け馬鹿なことは出来ない、家族の絆が希薄となった昨今、あえてブログに書きました。