子供の頃近くに、通称管区と呼んでいた高いブロック塀に囲まれた日本軍の跡地があった
1000坪程の広さがあり、一般人立ち入り禁止でアメリカ軍が管理していた、
敷地内には「ナラ」や「クヌギ」「マツ」などの雑木林があり、立ち入り禁止のために昆虫たちの
楽園となつている、しかし子供達はちゃっかりと進入経路を持っていた、塀と塀のわずかな隙間を
長年の間に広げた子供だけが通れる穴である
しかし大きな問題があった、敷地内に数頭のセパード犬が放し飼いになっている
この犬たちと、コミニューケーションが出来ていない子供は絶対に中に入れない
私は犬たちに認められた数少ない子供の一人であった、よく衛兵に話しかけられ犬たちも見ていた
為であろう、中にはいると犬たちが直ぐに飛んでくる、しばらく遊んだ後で昆虫採集である
中に入れない子は塀の上から見ている、「カブト」や「クワガタ」、「セミ」など色々採れた
捕った昆虫は入れない友達に分けてやった、
「セミ」に関しては予約も出来た、「セミ」の穴の観察から羽化する時期が大体わかるからである
まず、手当たり次第に植物の茎を「セミ」の穴とおぼしき穴に差し込む、中に「セミ」がいれば
茎が動く、穴の大きさを見極めて蝉の種類といつ頃はい出してくるかの見当をつけ、採集した
しかし昼間なれている犬たちも夜は別である、入る前に声をかけ、犬のその時のきげん次第で
進入を拒まれた、出直しである、それでも、下手な鉄砲も数撃ちゃあたるで、昆虫に不自由はしなかった
2~3度アメリカ兵が見に来たが、顔見知りの子供で犬が許可してるのを見て以後フリーパスとなった、
管区は程なく日本に返還され官舎と呼ばれていた、少年時代の思い出の一つです。