mizusumashi-tei みずすまし亭通信 -13ページ目

坂東玉三郎

 

中村真一郎が現代語訳した菅原道真の漢詩が気になって『菅家文草』を探したところ、入手できるのは岩波書店版『日本古典文学大系』くらい。購入するには(わたしの小遣いでは)高額すぎ、市内中央図書館にも見あたらなかったが、別館にあるというので取り寄せてもらうことができた。

 

こうした蔵書の取り寄せは県内の図書館からは無料、県外図書館でも貸借契約が交わされていて、送料を負担すれば読むことができる。こうして読みたい本が届いた折には、日本に生まれてよかったと心から思うのでした。まぁ、海外でもそーしたサービスはあるのでしょうが。

 

菅家文草 菅家後集(1966)岩波書店

中村真一郎の訳詩集『古韻余韻』は自装カバー

 

 舞姫たちのなめらかな肌はどうして薄衣にさえ

 耐えないように見えるのか。

 春の気色が腰のまわりに満ちているからだと?

 嘘をおっしゃい!

 舞いが終ってその化粧が崩れかかり、珠の

 手箱を持っているのも懶そう、

 後宮へ通ずる白い小門までのわずか数歩さへ

 耐えられそうにない。

 彼女たちの媚の眼くばせは、繰り返し押し寄せてくる

 波に風が乱れるよう

 くるりと舞う身体からは、晴れたあともまだ

 飛び散る雪のようなものが……

 花のあいだに日が暮れて、フルートの音が消えた。

 仙人は微かな雲を遠く見て、遥かな洞穴に

 帰って行くだろう……

    菅原道真『菅家文草』八行詩から 中村真一郎:現代語訳

 

 

中村真一郎の訳詩集『古韻余響』は、海外の古詩・漢詩、日本からは菅原道真と一休宗純のみが採られている。中村らしく軽みのある愛の歌、エロチックな詩が蒐集されていて飽きない。

 

 

上掲の原詩は最上部のイラスト内に載せた。岩波書店版『菅家文草 菅家後集(1966)』から書き写した。『菅家後集』は、道真が太宰府に流されて以降のもので、私たちの道真イメージは、ほぼこの集から作られている。ただ『菅家文草』の道真像は華やかでキラキラとして、おのれの地位と人生を楽しんでいる。

 

昨夕 図書館脇で