高石あかり
レイモンド・チャンドラー『長いお別れ(1958)早川書房』は、名訳と言われる清水俊二訳が長らく定番化していたが、これに村上春樹(2007)早川書房版新訳が登場。その早川書房に対抗するかのように、新たに(ミステリなどの翻訳で定評がある)田口俊樹(2022)東京創元社版が出版された。
この際なので、これまで未読だった田口俊樹版をメインに、他の二種の翻訳を手元において、気になるシーンを対照しつつ「読み比べ遊びを」ということで。
R.Chandler:The Long Goodbye
やはり現代に近ずくほどに主人公フィリップ・マーロウはソフィスティケイトされて、知的で静的な印象が強くなるものの、いずれも名訳で愉しめる。なんとなく同じ風景を別々のカメラで撮影した写真を並べてみるような、定点観測したスライドを重ね写しした感じといったらいいのか。
ひとつの作品をこうして、いくつもの翻訳で読めるというのは結構贅沢な経験で、まぁ図書館が蔵書してくれているおかげかなと感謝に堪えない。
村上春樹訳は文庫本化された年に読んだ記憶がある。当時は彼の『ノルウェイの森』1990年代前後以降の作品には懐疑的で、この翻訳についても辛目に論評しているが、改めて読み比べをしてみると村上版チャンドラーは悪くない。村上春樹が登場した初期作品に熱狂したゆえの僻めであったのかもしれない。
大寒波来襲
朝ドラ『ばけばけ 』は、世界一美しい物乞いの(雨清水タエ役)北川景子さんが退場。大石あかりさんのローソク立ての怪談シーン以降はあまり観ていないのですが、結末はどうするのでしょうね? ハーンの死まで描くのかな?




