このところ、1993〜2000年にかけて、雑誌『芸術新潮』に連載されたキャバレー王福富太郎の「アート・キャバレー蒐集奇談」を楽しく読んでいる。
福富太郎:絵を蒐める (1995)新潮社
福富太郎:描かれた女の謎(1995)新潮社
福富太郎の蒐集対象は自身の想い出に根づいたもので「結局は、子供時代に蒔かれた種が、時を経て実ったものなのかも」と書いている。馴染んだ風俗や来し方に由来した、どちらかといえば、やや俗な作品が多い。忘れられたり評価の低い画家の作品であろうと趣味に合えばブレずに蒐集した。
福富太郎の眼識にようやく時代が追いついたか。また、挿絵についても記載が多く、明治36年『読売新聞』に連載されて大評判になった小杉天外『魔風恋風』の挿絵は梶田半古が描いてたが、実は後半部は鏑木清方が代筆したとあり、これにはちょっと驚いた。半古と清方の違いがわからないそうだ。
小栗風葉:青春 夏(1905-06)讀賣新聞/梶田半古 口絵
月刊 myskip(2014.02)家庭小説特集
わたしは近代以降、戦後昭和40年代くらいまでの挿絵口絵、古書装釘本などを細々と蒐めている。さすがに福富さんのように原画肉筆というわけにはいかない。新聞小説のスクラップを含む、印刷による生成物なので、あまり質の良いコレクションではないものの、個人的な愉しみは代え難いものがある。
墓 石





