ボロディン弦楽四重奏団。ショスタコーヴィチ SQ No.8 Op.110 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ

 

最近のお気に入りのレコードはボロディン弦楽四重奏団によるボロディンNo.2とショスタコーヴィチNo.8の弦楽四重奏曲をカップリングしたもの。古い録音でモノラルと1960年代に録音されたものでボロディンSQ最初期のメンバーによる。ロシア人にとってはお国もので「いいに決まってるでしょ」なのですが。

 

ボロディン弦楽四重奏団

 

A面の癒し系ボロディンを聴いた後に、 B面はへそ曲り系ショスタコーヴィチの No.8 Op.110 の組み合わせ? と思われるが、今となってはどちらも違和感なく聴ける。アンサンブル能力が極めて高いボロディンSQは弦の倍音が美しい。深夜、ミニコンポで聴いていてもうっとりする。

 

YouTubeでボロディンSQによるショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲全曲集を聴くことができるが、なぜかレコードで聴くほどの感動がない。初代第1ヴァイオリンのロスティスラフ・ドゥビンスキー (~1976)が亡命したりで幾度もメンバーが替わったせいかも。同SQは作曲家とも親しく、スヴャトスラフ・リヒテルとの共演も多かった。

 

 

晦渋な表情のショスタコーヴィチを描きながら、やはり思い出されるのは(鉄のカーテンが下りた東西冷戦時代に西側で出版された)ソロモン・ヴォルコフによる『ショスタコーヴィチの証言(1980年)中央公論社』で出版当時興味深く読んだ。真贋論争もあったがその後の評価はどうなっているのだろう。

 

 

ドゥビンスキーが亡命した後、長らくボロディンSQを率いたチェロのヴァレンティン・ベルリンスキー(~2007)。