松岡圭祐。催眠 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

手製カレンダー

 

松岡圭祐といえば、綾瀬はるか主演『万能鑑定士Q モナリザの瞳(2014)』や、北川景子主演ドラマ『探偵の探偵(2015)』の原作者。『モナリザの瞳』はルーヴル美術館でロケされ当時話題になった。原作本『万能鑑定士Qの事件簿(2010-11)角川文庫』全12巻も楽しく読んだが、内容はヤングアダルト系のライトノヴェル。

 

その後、古書店で松岡圭祐のデビュー作『催眠(1997)小学館』を入手したものの、そのまま塩漬けにしてしまった。どーせ、ライトノヴェルだろうと侮ったつもりはなかったのだが、古書整理中に発掘。これを機に読んでみたら一気読み。傑作サスペンスに仕上がっていて。びっくり。

 

松岡圭祐:催眠(1997)小学館

 

東京カウンセリング心理センターの催眠療法科長・カウンセラーの嵯峨敏也は多重人格が窺われる女性・入絵由香と関わることになるのだが。作中の設定では、当時は多重人格は日本の精神医学界では正式に認知されておらず、嵯峨は彼女の症例に強く惹かれるとともに、犯罪の容疑者としてマークされる彼女の弁護も開始する。

 

実際の医療カウンセリングの事例を取りあげながら、細部までリアルに描きこんであり「どーせ、ライトノヴェル」な作品ではありませんね。本作は稲垣吾郎・菅野美穂(映画)、稲垣吾郎・瀬戸朝香(ドラマ)で映像化されています。もう少しで未読のまま古書店に流すところで… もっと早くに読むのでした。

 

上掲カレンダーは月末にテキトーに制作しています。描き捨てているイラストの中から、眼についたものを貼りつけた簡便なもので、制作時間は10分ほど。