橋本治。ぼくらの最終戦争 ハルマゲドン | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 

橋本治「貧乏は正しい!」シリーズは雑誌「ヤングサンデー」に1991年から1995年まで『17歳のための超絶社会主義讀本・貧乏は正しい!』のタイトルで連載され全5巻にまとめられている。その中の『ぼくらの最終戦争(1995)』では、まさに阪神淡路大震災を経て、オウム真理教によるさサリン事件で顕らかになった宗教問題を扱っている。

 

この宗教問題を語るに際し橋本治は日本の宗教を俯瞰し、中東におけるユダヤ教、キリスト教、イスラム教についてもダイジェストしていて、これがわかりやすい。また、ネット上ではイスラム思想の研究者飯山陽あかりさんが、日本での情報の間違いを具体的に指摘しながら「ハマスはガザを代表するものではない」ガザ保健局が伝えるところの死傷者数なども、NHKさんはじめ報道各局は鵜呑みにしないほうがいーかも。

 

橋本治:貧乏は正しい!シリーズ

 

それにしても「17歳のための」に書かれた内容を、いい歳になって感心するのもどーかと思う。まったくもって「お前もいいかげんにしろよ」とは、文中における橋本治の言である。

 

「貧乏は正しい!」シリーズについては、残り二巻についても眼を通したいのだが古書店でもみかけない。また、ネットでの古書価は高止まりしていて悩ましい。今回入手の『ぼくらの最終戦争(ハルマゲドン)』は痛み本だったのでカバーを新調した。