ジェイン・エア。不器量な女家庭教師 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

ジェーン・エア

 

先週は久しぶりに事務所ご近所の古本屋さんを覗いてきました。古本業だけでは生活が苦しいのか、店主が早朝バイトを始めちゃって昼休みは閉まっていることが多い。ということで、ダヴィッド・セシル『イギリス小説鑑賞(1964)開文社』と、カレン・J・ファウラー『ジェイン・オースティンの読書会(2006)白水社』他を持ち帰りました。

 

いずれも英国ヴィクトリア朝の作家を扱ったもので、久しぶり。『オースティンの読書会』は6人のメンバーのあれこれを(ジェイン・オースティンに絡めて)軽くユーモラスに描いたもの。『イギリス小説鑑賞』は、シャーロット・ブロンテの稿を読んだところ大学ゼミの副読本のような内容です。

 

ダヴィッド・セシル:イギリス小説鑑賞(1964)開文社

K.J.ファウラー:J.オースティンの読書会(2006)白水社

 

なのですが、ちょっと後を曳いてしまい。久しぶりに(昭和初期の名訳)十一谷義三郎が翻訳した『ジェイン・エア』前半部を読み直しました。ジェインが教師としてロチェスター家に住み込んだ後の、幽霊騒ぎとかはあんまり好みではないのですが、ジェインの個性は現代でも輝いています。

 

おそらく彼女は世界で最初の「不器量な女家庭教師」といった設定のヒロインで、激しい愛というよりも清教徒的な義務を伴った愛といった風の、作者シャーロットの心内がそのままジェインに反映している感じ。ということで、週末はちょっとした「ジェイン・エア祭」状態でした。贖った古書は安価だった分表紙が汚れていたので自製したものです。

 

 

イラストはジェインを演じた女優さんから。ミア・ワシコウスカは十分美しいと思うのですが、シャルロット・ゲンズブール版は〝らしい〟感じ。映画もよかった。BBCのドラマ、ルース・ウィルソンは似合っていると思うのですね。映像は観ていません。ルース・ウィルソンの口許が大好きです。