八木福次郎。古通の豆本・食玩蒐集のような | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

映画 やさしい本泥棒(2013)Sophie Nélisse

 

図書館から八木福次郎『古書屋の手帖(2008)平凡社』を借り出して、面白そうな小見出しを選んであちらこちらとページを繰っていうるちに、館から延滞通知が届いてしまった。八木福次郎は神保町の老舗八木書店創業者の弟で、月刊『日本古書通信』を発行して愛書家と古書店をつないだ恩人。ミスター神保町、神保町の生き字引などといわれた。

 

古通の豆本

 

八木さんはその『日本古書通信』の依頼原稿から上掲のような豆本を造っては寄稿した作家・古書愛好家に喜ばれた。この豆本は「古通の豆本」と呼称され蒐集の対象となった。いわばグリコのおまけ(食玩蒐集みたいで)稚気に満ちている。

 

上掲写真左側、柴田宵曲『文学・東京散歩(1980)日本古書通信社』箱入が250部限定の特装版で隣の和紙装が並製である。個人的には並製が好きなのだが、文庫本の半分のサイズなので読本というよりも愛玩物の部類である。表紙絵は謄写版の名人・若山八十氏が担当している。

 

柴田宵曲:文学・東京散歩(1980)日本古書通信社