モース刑事。オックスフォード事件簿 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

コリン・デクスター原作「モース警部シリーズ」を元に、主人公モースの若かりし頃、警察に奉職した1960年代を舞台にしたオリジナルの原作によるドラマ『モース刑事:オックスフォード事件簿(1986-2000)amazon prime』第1シーズンのパイロット版である第一話を拝見した。

 

オックスフォード大学で学究を目指したこともあったモースだが(理由は不明ながら)中退し警官になったものの、当初から胸に辞職願を入れているありさまで、自身の進路には懐疑的である。第一話では、そんなモースが遊軍としてサーズデイ警部の元に配属され、少女殺人事件を担当することになるのだが…

 

以前ブログでモース警部を「面倒臭いメグレ警部のような」と形容したが、メグレ警部と詩人でもあるダルグリッシュ警視(P.D.ジェイムズ)を合わせたようなと言い換えてもいいかも。ドラマの中に詩や文学の一節を絡め、本作ではオペラ・トゥーランドットや蝶々夫人などのアリアを片々と配置している。

 

羨ましく思うのは(ほぼコミック仕立ての)我らが国産ドラマと違って、落ち着いた大人のドラマに仕上がっているところ。モースの上司にあたるサーズデイ警部や、元オペラ歌手ロザリンド・キャロウェイなど、古きオックスフォードの街並みの中にしっかりと溶け込んでいて安心してドラマにひたれる。