Wツアー・カタール大会の伊藤美誠
ミックス・ダブルスで優勝した水谷隼・伊藤美誠のペアは、ずいぶん練れてきたようすで、このまま五輪ですかね。シングルス女子準決勝、伊藤はリオ五輪金メダリストの丁寧に(卓球ではマナー違反とみなされることもある)ラブゲームで押し切り、強い相手に敬意を込めて全力で行ったと述べた。
中村真一郎の著作から(自装カヴァー)
中村真一郎の「この百年の小説(1974)新潮選書 」を読んで以降、彼の著作との出会いを楽しみにしている。新書店店頭からは払底してしまっているため古書店でということになるが、思いがけず図書館の除籍本コーナーで2冊頂戴した。とにかく多くの著作を残されたので長い付き合いになりそうだ。
扱うジャンルは多分野に及ぶが、特に彼の評伝は自身の経験譚と重ねられることが多く(今時珍しい)血肉の通った熱い内容になっている。芥川龍之介→堀辰雄に師事したせいで「芥川龍之介の世界(1956)岩波教養文庫」などもそうした一冊。やたらと分厚い「蠣崎波響(1989)新潮社」は歯ごたえする。
ものすごい多読家で、堀辰雄には「芥川のようになるからほどほどに」と言われたそうだが、一時精神に異常をきたし電気ショック療法など再起に時間をかけた。中村は昭和初期の不景気な頃に東大仏文の辰野隆(ゆたか)に習ったが、文系では卒業しても職がないから稼ぎたいものは今のうちに移籍しろと勧められた。