佐々木邦編集の〈ユーモアクラブ〉 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 フィギュア ロシア大会のメドベージェワ

 

五輪以来、根本的なジョンプの見直しなどによって不調が続いていたメドベージェワは、先日開催された世界選手権代表選考を兼ねたフィギュア・ロシア杯において、僅差でトゥクタミシェワを押さえて優勝し世界選手権の切符を得た。代表選考は二転三転して混乱したが、まずは彼女の復活を喜びたい。

 

「10代のスポーツ」の代名詞を戴いたフィギュアにしても、天才メドベージェワをしてこれほど悩み深いシーズンを送ろうとは… ネット配信されたロシア杯の映像を観る限り、完調というにはもう一息な印象を持つ。ということで、ロシア代表はザギトワ、サモドゥロワ、そして(頑張れ!)メドベージェワ。

 

ユーモアクラブ(1940.11)春陽堂文庫

ユーモアクラブ(1940.11)目次

 

昭和15年、わが国は近衛文麿を中心に独伊に倣って全体主義を打ち出し「バスに乗り遅れるな」をスローガンに「新体制運動」を押し進め日独伊三国同盟を締結する。この三国同盟締結直後に発光された雑誌「ユーモアクラブ」11月号、巻頭の二色刷の漫画コント「バスに乗れぬお客さま」はこれに材をとる。

 

(近代ユーモア文学の祖ともいえる)佐々木邦は、1936年辰野九紫らとともにユーモア作家倶楽部を結成すると、1937年11月機関誌「ユーモアクラブ」を創刊する。佐々木邦は江戸以来の(下ネタを含む)諧謔から、家族で愉しめる上品なユーモアを主導した。そのせいかこの頃のユーモアには〝修養〟といった趣きがある。

 

「ユーモアクラブ」は割合い珍しい雑誌なので、ちょっと表紙が傷んでいたが(内容に興味もあって)手に入れた。雑誌表紙に「新体制録音版」のコピーとともに「緊めよ同胞心も口も」とのスローガンが添えられている。表紙絵は清水刀根(1905-84)二科会理事、元群馬大学教授とある。

 

月刊 myskip :ユーモア小説の系譜(2013.05)