新谷仁美の復帰。A・インドリダソンの、湖の男 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 新谷仁美の復帰レース

 

陸上世界選手権モスクワ大会(2013)を最後に引退したトラック長距離の新谷仁美が5年ぶりに復帰、その間「走るのが嫌い」なので一回も走らなかったため10kgも体重が増えた。引退後は事務職に就いていたが、白髪がでるほどに不適格。この度ナイキの誘いがあって復帰に踏み切った。

 

緒戦は2位。2戦目5000mも2位ながら、あっさりと国際大会への参加標準記録を越え、主戦場である10000mへ照準をあわせている。この種目には松田瑞生鈴木亜由子がおり、激しい三つどもえの戦いが始まることになる。ちょっと目が離せないね。ただし松田はマラソンに専念するのかな?

 

セノオ楽譜:悲歌(1917, 1922第3版)

セノオ楽譜:君よ知るや南の国(1916, 1929第19版)竹久夢二

 

痛み補修があるものの案外と安価だったので(人気が高い)セノオ楽譜を購った。No.19, 83と若い番号のもので石版刷、サインは見あたらないが「君よ知るや南の国」は竹久夢二の表紙絵、世紀末ロセッティ風な「エレジー」表紙絵の絵師は不明。版によって背景色が微妙に違うようだ。

 

A・インドリダソン:声  (2002)東京創元社

A・インドリダソン:湖の男(2004)東京創元社

 

現在4冊刊行されているアイスランドの作家インドリダソンの〝レイキャヴィク警察犯罪官エーレンデュル〟シリーズの後半2冊で、いずれも被害者の過去を明らかにすることで事件の全貌を知らしめることになる古典的な構成。「湖の男」では、1960年代に殺害されたと思われる湖底の遺骨から

 

冷戦時代を迎えNATOに参加したアイスランドの、社会主義国家との地理的体制的な緊張状態を背景に、悲劇的な犯罪があらわになってくる。人口30万人にして単一民族という、血の濃い国民の関係性ゆえの軋轢も描かれていて、ある意味わが国と相似する問題も抱え込んでいるようだ。次作刊行が待たれる。