遊井亮子。柴田錬三郎の御家人斬九郎 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 picture diary.145 時代劇の遊井亮子

 

時代劇を安心して観ていられる若い女優さんがどんどん減なくなってきていて心配になる。「剣客商売:手裏剣お秀」「神谷玄次郎捕物控, 第2話」での遊井(ゆうい)亮子はきちんと脇役をしていて、感心。もう少し起用して欲しい。また「剣客商売」の第1シリーズ(1998)は比較的セットもしっかりしている。

 

柴田錬三郎

 

渡辺謙主演、深川芸者蔦吉役の若村麻由美、斬九郎の母で素晴らしい演技を披露する麻佐女役岸田今日子がレギュラー出演している「御家人斬九郎(1995-)」はリアルタイムで視聴、当時はイマイチかなと思っていたが、改めてネット動画を観ると案外よく撮れている。ただ、斬九郎が老中水野越前守忠邦をたたっ斬るなど脚本が乱暴すぎる。

 

気になって柴田錬三郎の原作本を読み返してみたが、もちろんそんなおかしな展開は書かれていない。この作品の肝は、無頼の斬九郎と格式を重んじ厳格、それでいてグルメで大食家の母麻佐女との掛け合いだろう。原作の麻佐女は79歳、人生の残りを美食に精力を傾け、その高額な経費に斬九郎は絶えず苦労する。

 

柴田錬三郎は眠狂四郎、岡っ引どぶ(どぶ&町小路左門)、そしてこの松平斬九郎と麻佐女などキャラクター造りが素晴らしい。これらはいずれも映像化にも成功しているのだが、狂四郎以外はDVD化がなされていない。どういうことか?「御家人斬九郎」の若村麻由美もすこぶる素晴らしいこともあり、是非ともDVD化してほしい。