髙田郁の銀二貫 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 髙田郁:銀二貫の真帆

 

昨ブログ「みをつくし料理帖」髙田郁原作「銀二貫(2008)」の主人公松吉は本来は武士の出身、冤罪のあげく討取られた無念の父を持つ。浪速の老商人に〝銀二貫〟で命を繋がれ、やがて寒天を商う商人として成長していく。いわゆる(花登筐が開拓した)商魂もののカヴァーで、こちらもNHKの地上波(2014)で放送された。

 

松吉を陰に日なたに助ける真帆役の芦田愛菜(幼年)→松岡茉優の好演が印象的でした。「みをつくし」ともども映像に恵まれて幸運な作品だと思うが、こうした(人間)成長小説は花登筐は敗戦後の高度成長(初)期によく読まれたが、現代再び読まれるのはいかなる背景があるのか。それともいつの時代でも好まれるものなのか。

 

真帆の幼少期を演じた芦田愛菜ちゃんも中学生になってしまいましたね。

 

 柴野毅実:言語と境界(2017)玄文社

 

ほとんど著者本人がレイアウトしたものですが、装幀の最終工程のお手伝いをした。上写真は無地用紙で製本してもらった束見本(つかみほん)で、印刷前に背の厚みや装幀の確認をするためのものです。著書は同人誌「北方文学」に連載した論考をまとめられたもので、本一冊を作り上げるのはなかなか大変です。