浅田真央のSP
全日本フィギュアでは18歳の宮原知子が三連覇、浅田真央はSP8位で臨んだフリーはトリプルアクセルで転倒、ミスも重なり114.10点。合計174.42点で自己ワーストの12位に終わった。8位の村上佳菜子(22歳)はこの大会で引退を表明、ジュニアからの突き上げいちじるしく世代交替は急ピッチだが、新興選手と浅田を比べるまでもなく質的にはまだまだ大きな開きを感じる。
浅田はヒザの故障などもあってジャンプは生彩を欠くものの、ステップなどは今まで以上に魅力的で(完成形を見ることができなかったが)個人的にはショート、フリーとも今年度のプログラムが一番気に入っている。かつてフルーティストの金昌国が「技術的なものは20代から下降線をたどるものの、音曲に対する解釈は徐々に高まり、両者の放物線が交差する〝音楽的なピーク〟は40歳くらいかな」などと話されていた。
確かに浅田は体力的にはピークを越えたのかもしれないが、その表現力はいよいよ多彩になり、かなり自在に操れるところにまで達しつつあるのではないだろうか。宮原知子はミスの少ない演技で三連覇を達成したが、観客は浅田の演技に対してリンクが埋まるほどの花束を贈った。それは、たとえ演技が不十分なものであっても、他選手とは代え難いほどの煌めきを彼女に感じるからではないのだろうかね。
長岡市市役所
先週祝日はフルートのおさらい会がありました。若い人たちに交じって演奏するのはなんとも面映いものがありますが、例年のことなのでいたしかたありませぬ。今年はバッハのイ短調のヴァイオリン協奏曲からアンダンテを演奏しました。フルートとピアノ版の楽譜は発売されておらず、CDやYouTubuにもフルート編曲版は見当たらないので珍しいことだけは確かです。
演奏効果に難点がありわざわざ編曲するまでもないということなのでしょうが、素人ゆえ許される無謀さが、まぁ醍醐味みたいな。元譜は「世界大音楽全集:ヴァイオリン協奏曲Ⅰ(1956)音楽之友社」で、一冊のなかにバッハ3曲、モーツァルト4曲もの譜面が収録されています。より多くの曲を採録するためにオーケストラ・パートをわざわざピアノ版に編曲したもようです。古書漁りの副産物? といえますかね。