大杉栄の四角関係 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 大杉栄と伊藤野枝

 

大杉栄の妻保子は、やはり社会主義者の堺利彦の亡き先妻の妹で、その保子によると「当時、大杉は同志の間に有為な青年として望みを託され、殊に電車事件の被告で保釈中という身の上でしたから私も深い同情を以て迎えていましたが、何分(大杉は)年下ではありすぐに承諾する気にはなれませんでした。しかし、大杉が余り迫ってきますので、遂に結婚したような次第です」

 

大杉は着ている浴衣の裾に火をつけ「どうだ」といい、焼身自殺をすると脅して求婚した。それまで大杉には同棲していた年上の未亡人がいたのだが、しかたなく保子が仲に立って手を切らせた。生活費のほとんどは保子がまかなったようだが、いつも金に困っている大杉は出版編集などをしていた(姉御肌の)神近市子を愛人とするとかなりの金額を貢がせた。ところが、大杉が伊藤野枝に乗り換えたために、茶屋で神近に刺される。

 

神近は情状を酌量されたものの2年ほど服役している。可哀想にね。この辺りは、大杉栄の「自叙伝(1923)」に詳しく(正直に)書いてあるようだ。ネットで無料閲覧できる。まぁ、大杉の女性関係はかくのごときだが、某女優の子息のように強姦の履歴はないようだ。男女問題については、いくらなんでも「大杉には困ったものだ」くらいで、なんとか収めて欲しいものだ。なんだかな、この文章の収め方は?