本田美奈子:アイドルの時代.02 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
本田美奈子
 本田美奈子:あなたと熱帯

昨ブログに貼り付けたYouTubu「あなたと熱帯」の終盤映像から一枚描いてみた。虚像(アイドル)を虚像として生きようとする少女たちの勁さはどこからくるのだろうかね。

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 本田美奈子ライブ:DISPA 1987

私が高校生のころ近所の同級生のところで、しきりに南沙織や天地真理らの曲を聴かされた。この頃が(今日的な)アイドルの黎明期にあたるのだろう。そこらにいそうなお姉ちゃんがステージにあがりだす。1972年にデビューしたキャンディーズや新三人娘(南沙織、天地真理と小柳ルミ子)、続く森昌子、桜田淳子、山口百恵から成る「花の中三トリオ」やピンク・レディー。70年代後半に松田聖子、国生さゆり、工藤静香が登場し、1980年代の松田聖子・小泉今日子・中森明菜といった若者向けポップス歌手の活躍によって「アイドル」は市民権を得た。

本田美奈子が「殺意のバカンス」でデビューするのが1985年、同期デビューに斉藤由貴、中山美穂、南野陽子、おニャン子クラブなどが挙げられるが、ぼちぼち(ロリータたちによるセクシー路線といった)既存イメージのアイドルたちは氷河期を迎えようとしている。それでも歌の世界で本田美奈子が生き残れたのはもともとの歌唱力と、ミュージカル『ミス・サイゴン』のオーディションを受け(1990)約1万5000人の中からヒロインのキム役に選ばれ、その興行の成功によって新たなステージを見いだしたからに他ならない。

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 本田美奈子:Midnight Swing(1987)

女性だけのメンバーによるロックバンド〝MINAKO with WILD CATS(1988)〟の結成は、アイドル氷河期を迎えるころの必死のあがきのようだが、今改めて聴いていると(ヒットしなかったけれど)本田美奈子はこのころのディスコティークなロック歌謡を本当に楽しそうに歌っている。あるいは、彼女が本当に歌いたかったのはこうした曲趣だったのかもしれないが、まぁ好みは年齢や時代によって変わるからね。