
あまとりあ:1952.02-03月号

あまとりあ:1953.01-02月号
性風俗雑誌「あまとりあ」表紙は1952年2月号から秋保正三(1914~2002/東京都文京区生まれ/東京美術学校・岡田三郎助教室出身/二紀会)が担当する。2月号に高木健夫、大倉燁子、山田風太郎「男性周期律(6月号に続編)」挿画は古沢岩美画伯。4月号では(森鴎外の世話で画家の岡田三郎助と結婚し、青鞜顧問の)岡田八千代によるヰタ・セクスアリス「男はつまらぬもの」を語らせ、翌月には高木彬光が登場、多士済々といったところ。

あまとりあ:綴込みカード&絵はがき

山田風太郎:男性周期律

関野凖一郎の目次カット(1952.01-05月号)
ちょっと素敵な関野凖一郎の目次カットで、1月号から5月号まで同じデザインながら色代わりで使われている。

創刊号から和紙にオフセット印刷(疑似版画の復刻)の綴込み口絵がついているが、7月号以降小判ながら手摺り木版画に代わる。気合いが入っているなという印象なのだが、やはりというか、いまだに浮世絵あぶな絵というところが、かわいい。1951年の1月号まで書名上のヘッドコピーが「文化人のための性風俗誌」だからね。〝文化人〟のシバリが浮世絵版画ということなのだろうか。なお、2月号から「性風俗総合誌(Studies in Sexual Customs)」に。
9月号以降は「性風俗総合誌」はなくなり、書名の下が The Key to Sex Enlightenment (悟り)と、より衒学的微醺?を帯びていく。挿絵関連では宮尾しげる、清水三重三、神保朋世(1952.12)は単発、小島功は連載で登場。1953年2月には(堀口大学に私淑したわれらが地元出身の)小村定吉の面白くもなんともない艶詩が載る。気になるところでは原比露志の解説でエゴン・シーレ「蹲まる女」の特集が4ページ(53.02)。この前後からバイロス、シュリヒター、マックス・エルンストなどのエロチック絵画の紹介が始まる。

あまとりあ:手摺木版画(翻刻)