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われらがお荷物(赤字)情報紙「月刊 myskip 12月号」の発行。国産雪上自動車(雪上車)を設計した畔上武雄の特集です。おそらく(マイナー以前の微細な業績ゆえ)本紙以外に取り上げたところはありますまい。えへん! ということで資金繰りに四苦八苦、募る!(見返りなしの)ご奇特出資。
刷り上がってからスピレイン文庫シリーズのカバーがだぶっているのに気づきます。編集作業はひとりなので、自前原稿の校正が行き届かず困ったものです。〆切りギリギリに掲載依頼がはいって、いきなり半分スペースに切り詰めた下記記事は、コラムタイトルまで外されて。
月刊 myskip 12月号/埋草コラム
最近頻繁にストーカー殺人のニュースが流れる。穂村弘「本当はちがうんだ日記」に「愛の暴走族」という稿がある。以下、ちょっとダイジェストしてみよう。
今まで一番怖かったことは何か? ひとりの女の子が、金魚のエサが増えていることかなあ。ある晩、会社から帰ってみると缶の中のエサが増えている。気のせいじゃないの? ううん。その日の朝、残り少なくなったのを、缶をかんかん叩いて使い切ったから間違いないの。…たぶん、別れた元カレが合鍵で侵入して、こっそり補充していた。他には何の異常もない。そういえば、と別の女性が「私もいつだったか、部屋の中にシャボン玉が浮いていたことがある」
読んでいた本から目を上げたら、いくつもふわふわ浮いていたの。あとから考えると、たぶんドアの郵便受けから吹き込んだんじゃないかな。仲が良かったころ、別れた恋人と一度だけシャボン玉したんだよね。ラフォーレんとこの歩道橋の上で。夜店で掬った金魚やいっしょに吹いたシャボン玉のことが、そんなにも忘れられなかった彼らは、その思いがつのってベツモノになってしまった。恋愛の極限状態になると、追いつめられた人間は不思議な行動をとるらしい。
ただし、ベツモノになって刺してしまったのではね。