カストリ雑誌「りべらる」の挿絵画家(03 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
$mizusumashi-tei-りべらる中尾進表紙
 りべらる(昭27.11)太虚堂書房:中尾進 表紙絵
$mizusumashi-tei-りべらる目次
 りべらる(昭27.11)太虚堂書房:中尾進 目次カット
$mizusumashi-tei-りべらる中尾進
 岩堀光:足利義満 中尾進 挿絵
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 山田風太郎:女探偵捕物帖 怪奇玄々教 伊勢田邦彦 挿絵

前ブログで紹介したカストリ雑誌「りべらる」目次を掲載します。粋筋を語らせたら平山蘆江、人気落語の三遊亭金馬、富田常雄、新進伝奇の山田風太郎となかなかのメンバーです、挿絵では中尾進を中心に据え、カストリ雑誌から中堅総合雑誌へ脱皮は成功しかかったかに思える。山田風太郎の短編「怪奇玄々教」では、戦後乱立した新興宗教を舞台に議員への足がかりを得た男の蹉跌を描き、戦後の点景とも読める作品です。

$mizusumashi-tei-りべらる岩田浩昌
 りべらる(昭29.01)太虚堂書房:岩田浩昌 表紙絵
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 巻頭二色口絵から:志村立美・富永謙太郎・川原久仁於

雑誌「りべらる」は昭和30年に廃刊を迎えることになるが、その一年ほど前、表紙絵は懐かしい岩田浩昌に代わっている。ただ内容はずいぶん薄くなりエロ系記事に舵を切っている。雑誌の売れ生きが落ち→エロ系記事を増やして凌ぐつもりが→かえって半端な雑誌に思われて読者に嫌われていったのではないだろうか。昭和30年代に入ると所得倍増計画だの「もはや戦後ではない」時代を迎え、戦後の区切りとして雑誌「リベラル」は静かに幕を引こうとしている感じです。