カストリ雑誌「りべらる」の挿絵画家(02 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
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 雑誌 りべらる(昭25.10)太虚堂書房/中尾進 表紙絵
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  雑誌 りべらる掲載「国際結婚(藤田秀弥)」中尾進 挿絵

雑誌『りべらる』創刊は昭和21年8月。表紙は2色、総36ページのごくささやかな出発だった。しかしライター陣には、武者小路実篤を巻頭に、亀井勝一郎「恋愛の復活」、菊池寛・前田多門(当時の文部大臣)の対談、大佛次郎・舟橋聖一の随筆、小島政二郎の小説「男ぎらい」にモーパッサン「口髭」短編翻訳を載せた(カストリ雑誌というには)大真面目なものだった。しかも昭和30年ころの発行も確認できるから3号どころか10年近くも続いたことになる。

昭和25年頃の『りべらる』では目次カットを加藤敏郎が描いていてうれしいが、中尾進と成瀬一富の挿絵が目立つ。昭和初中期の中堅挿絵画家で(前にも書いたが)中尾進名義で現代小説を、叶内重朗の名前で時代小説を描く。なお面倒になったのか途中から中尾進に統一したようだ。昭和25年10月号では昨ブログ28~9年ほどではないにしても興味本位な記事が多いから、徐々に文芸路線からの転換をはかったものらしい。

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 成瀬一富:女賭博師挿絵
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 雑誌 りべらる(昭25.10)目次と加藤敏郎のカット