演芸画報:昭和17年2月号/鰭崎英朋表紙絵
松本品子:鰭崎英朋関連本
ヤフオクで古い「演芸画報」の表紙絵が鰭崎英朋らしいので落札してみたら、案の定。ながら、戦時中のせいもあり内容は薄く、表紙以外はさほど読むところがない。目次には「表紙絵“早梅”に就いて」とあるが、本文は最終編集時にカットされたらしい。松本品子編集「妖艶粋美(国書刊行会)」にも説明記載有りとあるのは目次のみを見たからだろう。さて「演芸画報」の表紙絵は毎号さまざな絵師が担当していて、英朋も4回ほど描いている。なかでも翌年描いた「更科姫」が素晴らしく、しばらく額装して部屋に飾った。
再読してみたが、松本品子「挿絵画家英朋:鰭崎英朋伝(スカイドア)」は唯一の評伝ながらよく調べられている。松本さんは弥生美術館の学芸員、同館による「鰭崎英朋展(2010年)」の企画を担当された。この展覧館が英朋再評価の端緒になったのですが、おかげでヤフオクにおける英朋モノが急騰、以来私のような資金力のないやからは落ち穂拾いが精一杯。ただ英朋のライバル鏑木清方(記念館発行)の挿絵本もでましたし、明治末~大正期挿絵界の展望がずいぶん利くようになりました。